「プログレ100物語」の第3弾となる
「LPレコード片面一曲百選」を書き終え、
いよいよ《望林堂完訳文庫》第38弾となる
H.G.ウェルズの「透明人間」の翻訳に
取り掛かっているのだが、
これが面白いのだ。
読んだことはあるはずだが、内容は忘れているので、
物語がどう展開してゆくのかもよく分からず、
ワクワクしながら読んでいるのである。
この作品は1897年に発表されたものなので、
語り口や物語世界の古さが、また良い味になっている。
一応SFとして扱われるが、
科学的な面はそれほど強くなく、
むしろ怪奇譚としての魅力にあふれているのだ。
そういう点では
同じ19世紀末である1886年に発表された
スティーヴンソンの「ジキル博士とハイド氏」に
雰囲気も似ているかもしれない。
でも、「LPレコード片面一曲百選」で
力を使い果たしてしまったせいか、
こちらの翻訳はなかなか進まないのだ。
いつになったら出せるかなぁ。
でも、訳していて楽しいから良いのだ。
少しずつでも前に進めていれば、
やがていつかは
ゴールにたどりつくのである。