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2023年11月28日火曜日

自閉くんが突然「ユーチューブ、ウクレレ」と言ってきたのだ

基本的に穏やかな性格の自閉くんは
もう二十代後半なのだが、
なかなか言葉でのコミュニケーションは難しい。

それでも、意味のない符牒のような
簡単な言葉のやり取りは、
いつも交わしているのだ。

例えば

「◯◯さんの足を描く!」
「描きません!」
「描いたら」
「本屋さんなし」
「描かなかなったら」
「本屋さんに行けたらいいね」

「起きたら(窓を)閉める!」
「起きたら(窓を)開ける!」
「閉めたら」
「文房具屋さんなし」
「閉めなかったら」
「文房具屋さん、行けたらいいね」

みたいな感じ。

でも、考えてみれば
人とのコミュニケーションと言ったって
お天気が良いとか悪いとか、
最近どう?みたいな他愛ないやりとりが
意外と大事なのだ。
結局、中身じゃなくて
やりとりそのものが楽しかったり
それで安心できたりするのである。

だから自閉くんとのやりとりも
やりとりをすること自体が
とても大事なのだと思いながら
今までずっと言葉を交わしているのだ。

まぁ、それはそれとして…。

昨日突然わたしのところへ来て
「ユーチューブ、ウクレレ」と言ってきた。

そこでYoutubeで「ウクレレ」と検索してみたが、
あまり反応がなかったので、
それならと、自分のウクレレ動画一覧を見せたのだ。

すると先日のみなとみらいでの発表動画を指して、
「これこれ」と指さしたのだ。
それで動画を見ることもなく
満足して自分の部屋に戻っていった。

わたしの頭には「?」があふれた。
今まで「ウクレレ」なんて言ったことないのに。
作業場かグループホームとかで
「お父さんの動画だよ」とか
教えてもらった、なんてことがあるだろうか?

でなければ、自分でたまたま見つけたとか。
う〜ん、それも確率が低そうだしなぁ。

とにかく、どこから仕入れた情報か分からないが
あの動画を知っていることを
わたしに教えに?あるいは共感しに?
来てくれたみたいであった。

確かなことは何も分からないけど
何だかうれしかったのだった。


2020年12月31日木曜日

バトル二回戦は回避されたのだ!

百均をダイソー、セリア、キャンドゥーとまわり、
お目当てのプラスチック製のハサミを
三軒目のキャンドゥで見つけたのだが、
あまりにちゃちくて、
使って貰えそうになかったので、
結局文房具屋さんで、
普通のハサミをゲットしてきたのだ。

ただし、子ども用でケース付きのものを選び、
そのケース部分に文字を入れたのである。

 
文字(視覚情報)が効果的なのは昔からだから、
この方が効き目があるかも。

本人はうれしそうにこのハサミを持っていった。
これで電動シャターへのハサミ攻撃が
終わってくれると良いなぁ。

取り敢えず、様子見状態にはなれたぞ。


年の瀬に子どもを殴ってしまったのだ…

自閉症の上の子が
どういうわけか急に電動シャッターが嫌いになり、
開けるのを拒むうちに
「開」スイッチを壊してしまった。
ハサミで突いて断線させたらしい。

そして、その場所ほどではないが、
もう一箇所ある電動シャッターも、
できるなら開けたくないようなのだ。

でもそこも壊されると、ベランダに出られなくなり、
洗濯物が干せなくなる。
それに、南からの日差しが、
家の中に入らなくなってしまうのだ。

そこで昨夜
もっているハサミを取り上げようとして
力対力のバトルになった。
相手は25歳の若者であり、
奪い合うものはハサミだ。

穏便に収めようと、
声を荒らげずにがんばっていたが、
彼も何かスイッチが入ったように
ムキになってかかってきたので、
刃物の奪い合いはかなり危険だ。

そしてワタシもついにキレた。
そして顔を殴ってしまったのだった…。
ゲンコツはかろうじて避けて、肘打ちである。
でも肘打ちもけっこう危険な攻撃である。
まして、顔を狙ったんだからね…。

感情を抑えきれずにキレた自分も、
よりによって顔を殴ってしまった自分も、
ショックであった。
まして相手は、いかに興奮しようとも、
決して殴ってはこないのだから…。
強烈な自己嫌悪だ…。

解決策というわけでもないが、
一夜明けた今日、
少しは硬さが弱くなる
プラスチック製のハサミを買って
今までの金属のものと交換することにしている。

モノが変わって気持ちも変わると良いなぁ。
果たして納得してくれるだろうか?
それとも
バトル第二ラウンドが待っているのだろうか?

穏やかな年末年始を送りたいものだなぁ。


2020年8月11日火曜日

自閉症の長男は、突然何かを始めるのであった

自閉症者の長男はもう25歳になったのだ。
でも、時々突拍子もない事を始めるのは
変わらないのである。

最近は、
自分の部屋の窓の雨戸を開けられたくなくて、
つまり、自分の部屋を暗くしておきたくて、
部屋の中の別の一角にあった本棚を
一人で動かして、窓を隠してしまったのだ。

それが終わったら、
自分の生活とはまったく関係ないにもかかわらず、
20歳の次男の部屋の窓も気になりだしたらしく
しきりに何かでふさぎたがる。
隣の部屋の鏡台とか、棚とか…。
 
今日は次男ともみ合いになって、
次男が口を少し切ってしまった。
でも、弟くんはやさしいから
絶対に兄ちゃんには手を出さないのだ。
 
さすがにこっぴどく叱ったのだが、
懲りたようでありながらも、
衝動的に動くから安心できない感じもするので、
視覚優位なところに訴える張り紙をしたのだ。

 
さて、これがどれほど効果を示してくれるか、
ちょっと様子見なのである。
夜見ると、下の子もドキッとするかもね。
 
 

2019年4月30日火曜日

「すずちゃんののうみそ」竹山 美奈子・文/三木 葉苗・絵


「すずちゃんののうみそ」は
自閉症スペクトラム児を持つ母親が、
素朴な疑問に手紙で答える形式で綴る、
すずちゃんを紹介する絵本。
  
文を書いた著者の娘さんも、
絵を描いた作者の妹さんも自閉症だという。
  
自閉症児・者の、
一見意味不明で、奇異な行動には
本人なりの理由があることが
やさしく説かれているのが素敵だ。
  
そして、なにより、この絵にインパクトがある。
アニメ調でもイラストカット調でもなく、
すずちゃんの内面をのぞき込むような絵。
  
だから、同情や哀れみでもなく、
「仲良くしましょうね」的なお題目でもなく、
一人の人間としての自閉症児の
心のあり方に触れたような気持ちになるのだ。
  
なかなかお目にかかれない
力のある本だと思う。
  
  

2015年12月5日土曜日

「自閉症の僕の七転び八起き」(東田直樹)を読んだのだ

自閉症の東田直樹さんが書いた本
「自閉症の僕の七転び八起き」を読んだ。
な〜こが見つけてきてくれたのだ。

読んでみた。

自閉症の息子のことを理解する上で大事なだけでなく、
今の自分にも優しく語りかけてくれる本であった。



「自閉症の僕が跳びはねる理由 」は

確か読んだことがあった。
家のどこかにあるだろう。
もう一度読み返してみようかな。

そして「君が僕の息子に教えてくれたこと」という番組も

動画サイトにあったものを見た。

自分の息子が自閉症で、その理解や対応に苦しんでいた

アイルランド作家のデイヴィッド・ミッチェル氏が
とても素敵だな。
デイヴィッド氏の笑顔を見ていると泣いてしまう。
 


 

2014年12月7日日曜日

自閉くんがやらかしてくれた!

久しぶりに19歳自閉くんがやらかしてくれた。
なんと、1Fリビングのコンセントに刺さっているプラグを、
全部糊付けしてくれたのである…うわあああ…

今日ちょっとテーブルタップを取り替えようとして気がついた。
壁のコンセントも、延長用のテーブルタップも、
差し込まれているプラグに糊付けされていたのだ。
抜こうと思ったら抜けないったらありゃしない…。

大声で呼びつけて叱りつけ、自力でプラグを抜かせる。
情けない声を上げながら格闘し、どうにか全部抜いたが、
ダメになったテーブルタップを目の前でゴミ箱に捨てて、
深い反省をうながした次第である。

不幸中の幸いだったのが、
くっつけるのに使ったのが接着剤ではなく糊だったこと。
接着剤だったら壁のコンセントを
まるごと取り替えるようだった…。

しかし、叱られるとシュンとなるのだが、
どうして、叱られるのがわかりそうなことをやるのかが、
良くわからない。
やりたいと思った時には、何も考えずに
夢中になってやっちゃうんだろうなぁ。

とにかく、電源が入らないだけでなく、
突然火を吹いたりしなくて良かったのである。
ああ、疲れた…。

2014年9月11日木曜日

自閉くんのお食事サポート

今日は始めて自閉くんが
お食事サポートを受けるのだ。
  
この春に特別支援校の高等部を卒業して、
徒歩30分の場所にある作業に通うようになった自閉くんだが、
学校生活に比べて単調になった毎日に
少し変化を持たせてあげたいと、
障がい者支援サポートを利用して、
時々夕食に連れ出してもらうことにしたのである。
今日はその第一回目なのだ。

公的に受けられる支援だけれど

実際に付き添ってくれるのは民間のサポート団体の人だ。
職場から直接連れて行ってくれて、
7時に自宅まで送り届けてくれるのだが、
3時間近くどうやって過ごすのだろうと
実はちょっと心配なのである。

食べるのは超早い。目の前に料理が出されたら5分で終る。

車で移動して、何でも横浜の方に行くらしいが
手違いなのかそれが一般的なのか、
どうやって過ごすかが事前に知らされていないのも
心配の種なのだ。

本人には、今日はお食事会だと言ってあり、

納得している風であったけど、
やっぱり誰とどこに行って何をするんだろうと
不安だろうなあと思ってしまうのだ。

でも考えてみたら、彼は強いのである。

自閉症という障害があるから
知らない国に放り出されたみたいに、
言葉はうまく通じないし、決まり事も良く分からないけど、
余計な神経を使って
オロオロ、オドオドしないでいられるのだ。

もちろん追い詰められれば困るし、声をあげたりもするけど、

我が道を行く図太さは、
今のワタシを軽く凌いでいるんじゃないだろうか。

何よりもまず、少しでも楽しんでくれて、

帰って来て聞いてみたら
またお食事会に行きたいと言ってくれると
いいなあと思う。

無事帰宅、良かった良かった。

2014年4月17日木曜日

「ボクの彼女は発達障害」くらげ著

Kindle本を何の気なしに色々眺めていて目に留まった一冊が
この「ボクの彼女は発達障害 」(くらげ著、学研)だった

「ツレがうつになりまして」以来やたらに増えた

マンガとエッセーを織り交ぜたタイプの本で
実際はかなり過酷な日常や体験を
マンガというフィルターを通してソフトに描くのが特徴だ

これもそんな本の括りに入ると思うのだが

大きな事件があるわけではなく
普段の生活の中で実は問題になっている部分が
恋人の視点から丁寧に描かれているのが良いのだ



例えば人が多い場所で顔を覚えるのに

顔が覚えにくい「彼女」は
メガネの人を「メガネをかけている人」で覚えていたのだが
メガネの人が多い場所で人を覚えるのに困り
結局「メガネの形」で覚えたという

こういうエピソードとか見ると

発達障害の特徴とか大変さとが少し分かる気がするのである
「発達障害の日常をイメージするには」も興味深かったし

夜間定時制高校や不登校経験者の多い高校に勤務していたし

自閉症(広汎性発達障害)者とも関係が深いので
ワタシ的には新鮮な驚きというよりも
居たねぇこういう生徒〜そうだよねぇそんな感じだねぇって
共感・納得する部分が多かった

むしろマンガの内容を

文章でもう一度なぞるようになっているので
内容的にちょっと冗長で
事例が少なく物足りなく感じてしまったかな
でも入口の本としてはこのぐらいが良いのかもしれない

深刻な内容と何とかバランスを取ろうとするためか

この手のマンガはかなりのゆるキャラで描かれることが多い
実際この本のキャラもかなりユルい
そこはちょっと好みの分かれるところかも

個人的にはノイズキャンセリング・イヤホン(ヘッドホン)が

かなり貴重な情報であった
カナル型ヘッドホンを耳栓代わりにするっていうのは
自分なりに考えついて実践してみたことであったが
正直あまり効果があったようには見えなかった

ノイズキャンセリング・イヤホンは

試してみる価値がありそうである


2013年12月11日水曜日

ミッキーマウスたちが学校に来たのだ

高三自閉くんが通っている特別支援校で
「ディズニー・キャラクターの学校訪問」があった

「このたび東京ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランド様から連絡があり、‘東京ディズニーリゾート・アンバサダー’がディズニーの仲間達(ミッキーマウス、ミニーマウス)と共に本校を訪問していただけることになりました。訪問当日は、平常授業を予定していましたが、せっかくの機会ですので、中学部・高等部とも授業時間を一部変更して、受入れさせていただくことになりました。」

という学校側からの通知を読むと
急遽決まったイベントのようであったが
何だかそれもまた
“ディズニーワールド的お約束”みたいなノリを
感じてしまうのは考え過ぎかしら

そして高三くんが持ち帰ってきたのが
このカードであった


これには笑った
そうか恐かったかぁ

そうだよな〜
とても人間とは思えない
デカイ顔とデカイ目とデカイ口の生き物が
無表情なまま素っ頓狂な声で
話しかけてくるんだからな

好きな子だったとしても
イメージ的にはもっと小さくて可愛いと思っているだろうから
リアルミッキー&ミニーを間近で見たら
受入れるまでちょっと時間がかかるかもしれないのに
基本的にキライなんだからそりゃ恐かろう

それでも頑張ってハイタッチとかしたらしい
自閉くんなりに気を遣ったに違いない
お疲れさまでした



2013年9月28日土曜日

自閉くん最後の運動会

いわゆる体育系種目を行なう運動会ではなく
芸術発表会みたいになった年もあったが
とにかく高三自閉くんの
保育園時代から続いた
トータル15年に渡る運動会が終った…

今通っている特別支援校の今年の運動会も
全体として個人競技種目は無く
団体競技かダンスやマスゲームの発表会であった

耳を押さえて大音量のBGMに耐え
担任の先生の個別誘導に従いつつ
彼はすべての種目に参加し
それなりに自分から動いてみせてくれた

いやあ長かったなぁ
小学校でも中等部でも高等部でも
ワタシは毎年場所取り係で
朝からシート持って行ったし

中三くんの運動会はまだまだ続くけど
もう参観しなくても良いだろう
高三くんの場合は
お昼を一緒に食べるっていうのがあったので
行かざるを得ないっていうのもあったのだ

思えばあっという間であった…
三歳児検診で様子がおかしいと思って
病院に連れて行き
「非定型自閉症」と診断され
友人に泣きそうになりながら報告したことを
今でもはっきり覚えているけど
もう遥か昔のことなんだなぁ

あの時はその友人も
突然のことで困ったことだったろう
申し訳なかったのである

さあ学校生活の大きなイベントも
残すは卒業式だけってことになるなぁ
もちろんその前に
進路を決めなければならないんだけどね

2013年6月4日火曜日

大学病院精神科からメンタルクリニックへ

昨日勢いで飛び込んだ大学病院精神科は
その後わざわざ家に電話を入れてくれたのだけど
ワタシはそれに気づかずすぐ折り返せなかったので
今朝直接病院へ行ってきたのであった
まぁ歩いて3分だし“勝手知ったる精神科”ですから

そこでは受付の女性の方から

・障害区分認定の診断書を書く上で
 参考になる記録をぜひお持ち下さい
・専門家の医師はいないのでご了解いただきたい

というお話を伺った

直接出向いたことにとても恐縮されていたし
回答に手間がかかってしまったことも
申し訳なさそうであった
丁寧な対応に感激である

で…やっぱり専門家のいるところが良いなぁと思い
クリニックを探して電話をしてみた
近隣のクリニックには同じような問い合わせが殺到していて
数ヶ月待ちというようなウワサも耳にしていたから
敬遠していたんだけど
ダメもとで聞いてみたのである

そうしたら7月アタマなら大丈夫とのこと
確かにワタシの時のように
今日明日にでも受診したい場合には
遥か彼方なことであるけど
今回の自閉くんの件であれば問題はない

まずクリニックに連絡入れていたら
こんなに面倒なことにはならなかったか…
ともチラっと思ったけど
懐かしの精神科に顔を出せて
受付で当時と同じ看護士さんとお話し出来たのは
自分的には良かったように思う

どうせなら当時の主治医であるジェロ先生に
自閉くんの診断をしてもらったら
またまた面白かっただろうな…なんてことまで
思ってしまったのだった

昨日自閉くんを病院へ連れて行く件を乗り越えたら
今日はかなり元気である

日々精進だなぁ
今日はまた実家に行くのであった
  

2013年5月27日月曜日

自閉くんの福祉ケースワーカーさんと会う

今日は高三くんの福祉ケースワーカーさんが
役所からわざわざお見えになった

これまでの生育歴をお話し
今後の支援の基礎情報としていただくのと
入所調整会議などの資料にもしていただく

お話を伺って
更生相談所による
在宅障害者評価や療育手帳(障害者手帳)判定を
近々に受けた方が良いことがわかったので
そういう方向で進めていただくようお願いした

障害区分を明確にしておかないと
生活介護施設に入れるかどうかが判断できないし
具体的な入所先候補があがった段階で
それが入所調整会議での重要な資料にもなるのだ

さらに一度医療機関の精神科を受診して
診断書を書いてもらう必要もあるという
20歳になった時の障害基礎年金の申請などにも
必要になってくるのだそうな
もちろん入所調整会議などでも必要だから
やはり今のうちに行かねばならない

更生相談所は役所の方から連絡してもらい
日程は更生相談所との直接交渉になるようなので
取りあえず連絡待ちだ

でも診断書の方は自力で医療機関を探し
受診しなければならないから
自ら動かないと何も始まらないのだ

早い方が良いんだろうなぁ
さっそく考えなきゃである

まったくあっちもこっちも
あわわわわ〜みたいな感じだなぁ

2012年8月11日土曜日

本屋さんに話しかけられる

自閉マン高二くんはバス写真を撮るのが趣味である
土曜日は近くのバス停に出向き
日曜日はちょっと遠くのバス営業所まで足をのばす
付き添うのはわたしの仕事である

ちょっと調べてみたら
何か外に出る趣味をと思いカメラを持たせてみて
やがて写真に興味を持つようになったのは
2007年のことだった
高二くんじゃなくて小六くんだった頃だから
かれこれ5年も経つのである
以来天気が良ければ原則毎週末
場所の変遷はあるがバス写真を撮りに出ているのだ
偉いなぁわたし

最近土曜日に定着した感のある駅前のバス停は
本屋さんの近くにあって
わたしは本屋さんの建物脇の
細い路地に入るあたりでいつも立っている
ただぼぉ〜っと音楽を聴きながら立ち続けている姿は
傍目にはちょっと不思議/不審に映るかもしれない

ところが今日その本屋のご主人と思われるおじさんが
店の周りをうろうろしながら開店準備をしていた時
通りすがりにわたしに声をかけてきたのだ

「日陰じゃないから暑いでしょ、大変ですねぇ。(道の)向こう側なら日陰になるけど、今度はヤブ蚊がいるからねぇ。」

「…(ちょっとドキドキしながら)そうですねぇ、ホントに…。」

突然話しかけられて満足な返答ができなかったが
後から考えてみたら
「おたくは何をなさっているんですか?」でも
「どなたかと待ち合わせですか?」でもない
おじさんは明らかに
わたしが何をしているか知っているようであった
 
まぁ5年近くも通い詰めていれば
週末にぬぼ〜っと30分近くただ立っている男のことは
店の中で話題になったことがあってもおかしくない

「あぁあの人ね?カメラ持った男の子を見守ってるみだいだよ。お父さんだろうねぇ、毎週毎週ご苦労なことだねぇ。しかしあの子も大きくなったもんだ。」

なんて会話があったのかもしれない

でもびっくりはしたけれど
全く知らない人ではあっても
ねぎらいの言葉をかけられたようで嬉しかったのだった
それに見ていないようで人は見ているもんだなぁ…
見ていてくれるんだなぁ…

とかも思ったりして


2012年8月10日金曜日

「イカ、イカ、イカ、イカ…」

今日自閉症の高二くんが突然歌い出した歌
出典不明ナリ
でもとても楽しそうに口ずさんでいる 

「イカ、イカ、イカ、イカ、 イカ・トイレ〜♪♪」

不条理な内容にもかかわらず
耳に残るリズミカルな言葉とメロディー
“イカ・トイレ”とは何ぞや?
  
自作ってことはないだろうと思う
何かの歌の歌詞を聴き間違えている可能性はあるかな
でも思い当たるものはない

爆笑にはならないが


ダラダラした笑いが尾を引いてしまうなぁ

2011年11月19日土曜日

特別支援校の「学芸会」に思う

自閉くんは高校一年生
今日は彼が通う特別支援校の「学芸会」だ
彼の出番は10:25〜10:50だから
洗濯干して洗いモノして
昨晩準備したビデオの確認をして出発

実は下の子の授業参観もあるんだけど
時間的にバッティングしているので今回はパス
雨の中2校をギリギリの時間でハシゴする気力もないし

そして特別支援校に到着
間もなく出し物の劇が始まる
内容は宝探しをしに
3つの苦難を乗り越えるというものだけど
そこにマット運動やポンポンダンスや
複数生徒による暗唱が入るという構成

最後に見つけた宝は「いのち」というもので
この高一という仲間の絆(出た〜!)を深め
いのちを大切に毎日を生きて行こう
と締めくくられた

オリジナルな内容なんだろうけど
「仲間」「絆」「命」といった
学校が好きそうな言葉が並ぶ

でも思ったのだ
彼らはそれがどんな意味なのかも
あまりわかっていないだろう
でも目の前の役割に一生懸命取り組んでいるのだ
それでいいじゃないかと
その一途さが心に響くのである

そしてもう一つまったく別のことも思った
障害の種類や程度によっては
「命」はとても大きな意味を持つ

例えばダウン症の場合
近年その寿命が延びてきてはいるが
平均的な寿命に比べればまだまだ短い
つまり親より先に天寿を全うすることは
十分あり得ることなのだ
「命を大切にしよう!」っていう
学校の活動で使いやすい当たり障りのない言葉
取りあえず正しいけれど
そこで思考停止してしまう言葉が
ここでは実は重い言葉だったりするのである

わが自閉くんだって
知的に障害はあっても
身体的に命に関わるような課題を抱えているわけではないけれど
平均寿命は短いと言われる
それは本人に周りの状況がわからないことが多いから
事故に遭う確率が高いからだとか

そんなことを思うとやっぱり
これからどう生きてどう死んでいくのかを考えた時
下の子とはまた違った思いを抱くのである

う〜ん…最終的には
それぞれの自立した生活を
遠くから見守るってことが目標なのは
上の子も下の子も変わりないんだけどねぇ

2011年10月25日火曜日

自閉くんとダブルフェイス・ウォッチ

自閉くん用に“開発”し
自分でもお気に入りになってしまった
横並びダブルフェイス・ウォッチであるが
昨日のインフルエンザ予防接種時にも活躍したのである

病院というのはとにかく待ち時間が長いものだ
昨日は予約制ではなかったが
午後という比較的空いている時間帯で
受付2番という好位置につけながら
結局トータルで2時間かかってしまった
注射はほんの一瞬で終るのに…

受付順なので早い番を取りたくて
受付時間前に到着
そこから受付開始を待って
受付後に診察開始を待って
開始後は順番が来るのを待って
診察が終わったら別室に移動して待って
やっと予防接種が終わり
最後に会計の順番待ちである

その間自閉くんは
何もしないでじっと待ち続けているのだ
普通の子ならDSを持って行くとか
本やマンガを持って行くとか
時間をつぶす手段を考えることもできる
でも彼はDVDやインターネットなら時間をつぶせるが
そもそも医者では携帯も禁止なくらいだから
例えiPadを持っていても(持ってないけど)無理な話である

ところがやっぱり視覚刺激は大きいのだ
ダブルフェイス・ウォッチで

「お部屋(診察室)に入るのはこの時間(かな?)」

とか示しておくと
それをチェックしながら待つことができる
ある程度の予定が視覚的に提示され
それを確認することで落ち着くんだろうと思う

「お部屋入るの9時30分(右)だよ〜(たぶん)」みたいな感じ

偉いのは予定時間が変更になっても
怒ったりパニックになったりしないこと
設定時間になっても動きがなくて
さらに針を動かして新しい目標時を設定すると
それはそれで予定が修正されたものとして
彼的には落ち着くらしい

このダブルフェイス・ウォッチは
バス写真の終了時間自己チェック用だったのだが
実はあらゆるところで利用可能なのかもしれない
特に「待つ」ことに有効なのは意外な発見だったなぁ

ただ腕にはつけようとしないのだ
たぶん腕につけるのはバス写真を撮る時に
わたしから離れて自由に動き回る時って
彼の中では決まっているのかもしれない

そういうこだわりもなかなかオモシロいのである