2008年11月3日月曜日

時計作り


昨日、手作り時計の「くるき亭」の
『オリジナル時計制作コース』に行ってきた。
「くるき亭」の時計は、
手書きながら緻密で繊細な文字盤や、
“歴史”や“記憶”を感じさせるような
味のある作りがお気に入りなのだ。

電車に乗り継ぎ、
始めての場所で、始めての人と、始めてのことをする。
今の自分には結構キツいハードルだが、
モノ作りしたい一心で出かけた。
始めてみると、
ひたすら作業に没頭するという予想ははずれた。

考えたら当たり前なんだけど、オリジナルを作るということは、
自分で決め自分が動くということだ。
   
大きさはどうします?
文字盤はどう作ります?
色はどうされます?次々と決断と実行を迫られる緊張の3時間。
   
特に文字盤をドリルで掘る作業は、息が止まるほど集中した。
でも、人を相手にする仕事を22年間続けていた自分にとって、
一人きりでモノを作る仕事は、とても新鮮で魅力的だった。
完成品は満足いく出来映えだった。
自己嫌悪と自己否定の毎日での、ささやかな自信回復。
ポイントは秒針の赤、かな。
  
  
時計作りには彼女が付き添ってくれた。
リハビリのトレーナーか保護者のように見えたかもしれない。
作業は口をはさむことなく、そばで気遣っていてくれた。

帰りには疲労困憊し、電車の混雑がいたたまれなかったけど、
彼女がそばにいてくれたので、落ち着いていられた。

彼女の名前は〝な〜こ〟と言う。