昨日、手作り時計の「くるき亭」の
『オリジナル時計制作コース』に行ってきた。
「くるき亭」の時計は、
手書きながら緻密で繊細な文字盤や、
“歴史”や“記憶”を感じさせるような
味のある作りがお気に入りなのだ。
電車に乗り継ぎ、
始めての場所で、始めての人と、始めてのことをする。
今の自分には結構キツいハードルだが、
モノ作りしたい一心で出かけた。
始めてみると、
ひたすら作業に没頭するという予想ははずれた。
考えたら当たり前なんだけど、オリジナルを作るということは、
自分で決め自分が動くということだ。
大きさはどうします?
文字盤はどう作ります?
色はどうされます?次々と決断と実行を迫られる緊張の3時間。
特に文字盤をドリルで掘る作業は、息が止まるほど集中した。
でも、人を相手にする仕事を22年間続けていた自分にとって、
一人きりでモノを作る仕事は、とても新鮮で魅力的だった。
完成品は満足いく出来映えだった。
自己嫌悪と自己否定の毎日での、ささやかな自信回復。
ポイントは秒針の赤、かな。
時計作りには彼女が付き添ってくれた。
リハビリのトレーナーか保護者のように見えたかもしれない。
作業は口をはさむことなく、そばで気遣っていてくれた。
帰りには疲労困憊し、電車の混雑がいたたまれなかったけど、
彼女がそばにいてくれたので、落ち着いていられた。
彼女の名前は〝な〜こ〟と言う。