2022年12月21日水曜日

「怪談」はかなりの難物だったのだ!

ラフカディオ・ハーンの「怪談」を訳しているのだが、
中身もタイトル通りの怖い話だろうと思っていたのだが、
実は「怪談」は二部構成になっていて
日本の怖い話を語り直した『怪談』と
随筆である『虫の話』が収録されているのだ。

仏教的な背景に似通った部分はあるとは言え、
『虫の話』はかなり色合いが違う。
特に「蝶」・「蚊」・「蟻」とあるうちの
「蟻」が難しいのだ。
「蟻」社会に、人間社会が目指すべき一つの理想形を見て、
哲学者・社会学者スペンサーを引合いに出しながら、
持論を展開するのだ。
その背景には仏教的な理想像も重なる。

でも、
一時は『怪談』のみで出そうかと思っていたが、
『虫の話』込みで、一冊丸々出せるのは
とても良かった気がする。
〝完訳文庫〟の名に恥じない内容になるしね。

年内に出せるようにがんばるぞ〜