2009年10月14日水曜日

「ありあまる富」椎名林檎


体調はまだ十分ではないけれど
ちょっとだけウクレレを弾く
どうしても「ありあまる富」が弾きたくなった

不思議な歌だなと思う
人生の応援歌ではない
ナンバーワンじゃなくてオンリーワンだと
上から目線で
きれいにまとめた歌でもない

「僕ら」と「彼ら」
搾取される側と搾取する側
椎名林檎と彼女を取り巻き甘い汁を吸おうとするモノたち

うがった見方をすれば椎名林檎は「僕ら」とは違う
「彼ら」に奪われても「返してもらうまでもない」と
自分に自信を持てるのは椎名林檎だからじゃないのかと

でもこの曲にはそうした部分とは別に
とても悲しいものを感じる
奪われて盗まれてうちひしがれたことのある人の姿を

富にあふれているというのは
負け惜しみでも慰めでも開き直りでもなく
疲れ果てて押しつぶされた最後の最後に
すがる思いなのかもしれない

そして最後の最後にその思いにたどり着き
自分の価値に気づいた歌なのだ
自分の存在自体が存在意義だと思いながら
立ち上がった歌なのだきっと

それでも自分を信じて
恨む心や憎む心のエネルギーを
前へ進むために使おうとしている凛とした歌なのだ

だから苦しんできた人ほど
どこか深いところで
共感するのかもしれないな

血みどろな戦いの後の
あるいは死屍累々を前にしての
希望の光のようなものを感じるのである

もちろんコード進行もいいんですよ
ウクレレでも気持ちいいです
前にも言いましたけど

あ 雷が鳴ってる