2009年10月3日土曜日

飛騨高山〜白川郷の旅<前編>


病休一周年記念というわけでもないのだが、ちょっと毎日の生活に行き詰まり感があったのと、病休一周年でどれくらい体調が回復しているのか試したい気持ちがあったのと、10月1日が「都民の日」だったという、今の身にはあまり関係ないことも一つの理由にして、飛騨高山から白川郷へ行ってきたのである。

新幹線に乗り、高山本線に揺られて半日あまり。初日は飛騨高山に到着。

飛騨は古くは縄文時代から東西南北の文化が押し寄せたと言われる場所。現在の「古い町並」は高山城を中心とした城下町の商家群なのだそうな。正式には「三町町並保存地区」と言われ、建物は400年の歴史を持つという。

という歴史のこともよく知らないまま、まずは「古い町並」の端にある「吉島家」に到着。なんですが、もう町並自体の古き良き風景にわたしのテンションは急上昇。なんて言うかもう「わ〜わ〜わ〜(凄い〜、懐かしい〜)」みたいな、言葉にならない状態になっていた。

そして吉島家。代々酒造りを家業としてきた豪商の木造住宅。土間の吹き抜けに射す光と影のコントラストの見事さ。

屋内の純日本風な作りの懐かしさと心落ち着くたたずまい。自分の母方の祖母の家を思い出させる縁側。にゃ〜こもおばあちゃん家を思い出すと言っていたなぁ。

大きなガラスがはめてあるガラス戸。狭くて急な「トトロ」に出てきそうな階段。戸袋。意味も無く存在する廊下の片隅の空間。中庭。土塀。忘れていた日本を思い出す。

続いて隣りの日下部民芸館へ。吉島家とともに町家建築を代表する建物。何と天気は予想していたよりも良く、美しい陽の光が土間上部の明かり取りから射し込んできて、どっしりとした木組みの空間に、えも言われぬ美しさを加えてくれた。

太い梁を組んだ非常に大胆な作りなのに、何とも安心感のある落ち着いた空間は、もう見事としかいいようのない、時間を忘れて見入ってしまう美しさ。

たまたまロシア人観光客ご一行様が後から入ってきて、ツアコンらしき日本人が説明していた。彼らにはこういう木造建築はどう映るのかなぁ。

民芸館の人が一生懸命練習していたと思える英語で説明を始め、ツアコンの人がロシア語に直していたんだけど、ツアコンの人は日本人だから英語をロシア語に直す必要はないのだ。

だから「そのまま日本語でいいですから」とツアコンの人が言うんだけれども、興に乗ってしまった民芸館の方がちょっと自慢げに流暢とは言いがたい英語で説明を続けていたので、日本人が英語を話し、それを日本人がロシア語に通訳するという、なかなか面倒くさい光景が展開されていて面白かったのであった。

にゃ〜こと「なんか懐かしいねぇ」「落ち着くね〜」と話をしながら、「古い町並」を散策。

夕方お宿へ着いて、お昼ご飯を控えてまで楽しみにしていた夕食に、舌鼓を打ったのであった。

心配していた体調は、7月に熱海に行った時ほど急激に悪化することはなかったが、やっぱり少し首から上がのぼせたような感じで夜になってちょっと低空飛行気味。

でもひえピタを早目に貼って、結果的には不調とまではいかずに済んだ。

まぁそれまで比較的だらだら過ごしてきたのに、急に長旅に出て歩き回ったからね。楽しい旅ではあってもカラダはストレスを感じ取ってしまうのは致し方ないところ。

でも夜はちゃんと二人してふわふわしながら寝られたから、生活の激変を思えば上々の初日だったと言えましょう。