2012年4月4日水曜日

朝ドラ「梅ちゃん先生」が凄い!

「カーネーション」に替わって始まった
NHKの朝ドラ「梅ちゃん先生」が凄い

話はまだ滑り出したばかりだ
ヒロインの梅子(堀北真希)も
  
「ドジでノロマでオッチョコチョイで
 人からも評価されず自分にも自信が持てないけど
 素直で心の優しいオンナノコ」
   
という、見事に古典的な性格づけであるから
ドラマとしてどうなの?っていうのは
まだまだもう少し見ていかないと何とも言えないんだが…

じゃあ何が凄いかと言うと
戦後の焼け野原と化した東京(蒲田)の風景のリアルさである


空襲による焼け野原にバラックが建つこの光景は
今は物語の進行以上に大きな魅力を持つ
最初はCG合成?って思ったが
それにしては近景から遠景までがとてもリアルなのだ
  
当然ながら話の展開に従って場面も切り替わる
それに応じて風景もさまざまな顔を見せる
つまり書き割りのような作りではなく
実際の街並(焼け野原)がかなりリアルに再現されているのだ

実はこれが茨城県高萩に組まれたオープンセットなのだという
100m四方の製紙工場跡地に3週間かけて
焼け野原・闇市・神社・バラックなどを造り込んだそうな
これはちょっと映画並みのこだわりじゃないだろうか
前作「カーネーション」では
戦後の闇市の雰囲気がリアルに再現されて話題になった
それを見て“闇市”とはどんな感じか
初めて映像でその雰囲気に触れることができたように思った
今作「梅ちゃん先生」では
“焼け野原”世界に目が釘付けである

主人公よりもストーリーよりも
今見ておくべきはこの焼け野原の風景じゃないかと思う
話が進んで時代が過ぎてしまえば
この光景は見られなくなっちゃうんだから

もちろんそこには死体が山と化した陰惨さの影はない
“漂白されたような”戦後の焼け野原かもしれない
しかし写真でしかわからなかった当時の空気感をそこに感じ
自分の中の終戦後の風景イメージを膨らませるには
とても大事な体感映像だと思うのである

やっぱりCG合成には出せない
生の風景ならではの迫力が
そこにはある