2009年7月17日金曜日

「タイヨウノウタ」とくるき亭初号機

Webで手作り時計の「くるき亭」を見つけたのは、本当に偶然であった。その何とも言えない手作り感と、にもかかわらず漂っている職人的なこだわりを感じさせる妥協なき精密さに強く惹かれた。
  

手作り時計にありがちな、自己満足的なデザイン重視、でもそのデザインに全然締まりがない、っていうモノとは質が全く違う。
歌手のYUIが主演していた映画「タイヨウのうた」で、主人公が腕につけていた時計が「くるき亭」のものだったというのも後で知った。
    
    
「タイヨウのうた」は前任校当時に生徒に勧められて、じゃあ一緒に観てみるかって学校のホームルームの時間を使って観たのだった。思えば自由な学校だったなぁ。

難病ものとしては「世界の中心で愛を叫ぶ」路線な感じではあるけれど、YUIの存在感で、2番煎じにならない良作となっていた。
 
ちなみに、YUI演じる薫が病いの進行によって大切なギターのフレットを押さえられなくなる場面がある。比較にはならないけど、ウクレレ始めた自分にとってそのショックは痛いほどよくわかる。逆に言えば今自分はウクレレにずいぶんと助けられているということでもあるんだな。

作品の設定上、時計が重要なのだけれど、そこでくるき亭のものが使われたということに納得した。
自分で“発見”した時計が、きちんと評価されていることもうれしかった。

そして、最初に注文したのがこの時計である。スクエアだけどちょっといびつな本体、手描きの文字にカビが生えたようなフェイス、そこでしっかりと時を刻む漆黒の針。ベルトはグリーン。
    
    
自分にとっては、デザイン、色、腕へのフィット感など、トータルで一番気に入っている時計だ。気持ちがデジタルに変わる前に、dedegumoの赤い時計とともに職場で苦楽を共にしてきた、お守りのような時計だ。

この時計が、今回のわたしの不調に合わせるかのように、今週になって止まった。早く電池交換してあげなければと思いながら、カラダと気持ちがそこまで動けなかった。

病休後の自分を支えてくれているのは、彼女といっしょにくるき亭まで行って作った自作時計だ。しかし今一度、職場とのやり取りのために気持ちを奮い立たせるには、かつての戦友たちの力がいるのかもしれない。dedegumoのアカは元気。デジタルも先日復活した。

今日やるべきことはただ一つ。
この時計を蘇生させてあげることだ。