2009年12月6日日曜日

不祝儀袋を聞かれたわたし

安売りで名高いドンキ・ホーテが近くにあるのである。

あの落ち着きのないディスプレイと、ヤンキー割合の多い客層はあまり好みではないんだけど、安いものがあることと珍しいもの(妖しいもの)があることから、割と良く立ち寄るお店なのである

昨日のこと、ふらふらとこのドンキの店内を物色していたら、若いOL風のスーツ姿の女性から突然声をかけられた。もう超びっくり。だって店内だから道を聞かれるわけではないだろうし。いったい何事?

そうしたら

「あのぅ、すいません。香典袋で『御霊前』と『御仏前』て
   二種類あるんですけど、どっちがいいんでしょうか?」

と聞かれてしまったのだ。

うら若き女性から突然声をかけられてドギマギするわたし。
 『御霊前』と『御仏前』の違いがわからずオタオタするわたし。
すいません、この歳になっても常識がなくてと反省するわたし。

そして、いやもう申し訳ないんですが格好つけて“知ったか” して、

「『御霊前』の方が一般的ででいいんじゃないですかねぇ。」

とかいい加減なことを言ってしまったのだ。

後で家で速攻調べたところ、「御霊前」は49日の法要までで、49日の法要後は「御仏前」だそうな。なぜかと言うと、亡くなった方は、亡くなってすぐに「仏」になるのではなく、「49日」の間は「霊」としてこの世で、生きている間の「垢【あか】」を落とし、仏になるための色々な準備をするというのだとか。

また、地方に寄っては1周期の法要後に初めて「御仏前」を使うところもあるらしい。また浄土真宗で執り行われる葬儀にお供えする場合は必ず「御仏前」なのだと。おかげさまで大変勉強になりました。

そしてその女性は、雰囲気からしてこれからお通夜かお葬式に出席されるような感じだったので、結果的に香典袋は「御霊前」でOKであったのだ。デマカセとは言え恐らく結果オーライである。よかったぁ。

わたしが適当なアドバイスをしたのを聞いた後、その人は突然照れ始めて微笑みながらさって行った。我に返って、店員さんじゃなくて突然見知らぬお客さんに質問した自分にびっくりしたみたいな感じだったのが初々しかったです。

しかしなぜわたし。
きっとかなり無害・無防備に見えるんだろうなぁ
それは恐らく良いことなのである、と思いたい。

ちなみにそこに「ご香典」袋があったらパニクっていたに違いない。実際はこれが一番宗派に関係なく使える万能香典袋であったのだが。もちろん仏式でなら、だけど。

さらにちなみにわが家(父親)は神道なのである。そうすると「御榊料」「御神饌料」「御神前」「御玉串料」などというものになるらしい。知らなかった…