2011年7月27日水曜日

精神科ジェロ先生によるワタシの〝物語〟

3週間ぶりの精神科定期検診
今日はグズグズ長引いた不調の話と
旅行で不調が回復した話から切り出した

「旅行とかって本来、ストレスがたまったりした時の気晴らしになるものですよね。それが今までは旅行中に体調を崩されたりとかなかなか本来の役割を果たしていなかったですよね。
  
でも今回は、行くことで不調が改善されたという、旅行本来の楽しみ方が出来たっていうことで、それは大きな変化じゃないかと思うんです。
  
それに最初の頃は花火見物に人の多い海岸に降りられなかったのが、今年は海岸で見物できたっていうのも進歩ですね。」

不調の期間は今までよりズルズルと長かったが
そのことよりもそれが「旅行で治った」ことが
ジェロ先生的には大いに評価すべき点であるようだった
確かにそうかもしれない
変化している実感はある
とともに体調の変化には細心の注意と備えを
怠らないようになったとか
毎年同じ場所に行っているという安心感があるという点も
実は大きいと思うのだ

続いて8月から9月に控えている
バンド発表と自費出版と展覧会開催の話をした
それを黙って聞いていたジェロ先生は
ちょっと興奮したように語り始めた
先生はどうやらこんな“物語”を作ったようであった

「モンさんのケースって実に面白いですね。いや、一つぐらい何か趣味でモノを作り始めたっていうことなら、気晴らし程度なのかなって思うんですよ。もちろんそれはそれで楽しめるのなら大切なことなんですけども。
  
でもモンさんの場合、芸術的なモノ作りが一気に始まりましたよね。そしてそれが軌道に乗るに従って、病状も安定してきている感じがするんです。
  
つまり今まで本当はやりたかったことが、今ここにきてやっとできるようになったと。今までは本当にやりたかったことを抑え込んでいたんじゃないかと。
  
もちろんいろいろなお力を持っているから、教員というお仕事を選ばれてもこれまでちゃんとこなせてきたわけですけども、逆にだからこそ本当にやりたいことに気づかれなかったのかもしれないですよね。
  
そして辞められても、教員を選択したことを悔やんでいるわけではなくて、逆にプラスに思っておられる。これもとってもいいことですよね。」

今日のジェロ先生はちょっと情熱的である
それはきっとジェロ先生の頭の中で
一つの物語が出来上がった興奮からなんじゃないかと
聞いていたわたしは比較的冷静に受け止めていた

本来自分を表現できるものを抑えつけていた結果
ここにきてそのストレスが一気に出てきた(特にカラダに)と…
それを思い切ってやりたいことへと舵を切ったことで
不調が安定に向うようになった…
そんな“物語”だと思う

う〜ん…その“物語”ならある程度受け入れてもいい
ただし
自分が本来芸術分野に適していたとか(才能の有る無しは関係なく)
そういう進路を選択するべきだったんじゃないかと言われれば
それは違うと思うのだ 

教員という職業を選んだ自分は間違ってはいなかった
本当にいろいろなことを学んだと思うし
今の自信につながる経験をしてきたと思う
だからこそ今
心置きなく別のことができる気がするのだ
何一つムダも遠回りもしていない

でも不調がまたいつ襲ってくるかわからないことや
今回のようにズルズル長引く恐れがあることは
やっぱり大きな不安材料だし
単純に“物語”に乗っかって

「これが本当はオレがやりたかったことなんだぜ!やっとそこにたどり着けたらか、もう大丈夫だぜ、ベイベ〜!」

と大手を振って喜ぶわけにもいかないのである
  
すまないジェロ先生
もちろん良い方向に向かっていることは確かだと思うけど
わたしのケースはもう少しややこしい気がする