2008年10月27日月曜日

牛乳

細くジグザグに伸びる山道を登っていた。
ジグザグの折り返しのところに、職場の同僚が二人いた。

「だいじょうぶ?」

と声をかけてくれた。
もちろん山登りのことではなく、
久しぶりに会っての挨拶だ。
二人ともとても気をつかってくれているのがわかる。
  
二人だけで世間話とかもしている。とても自然に。
それがいたたまれない。

そろそろ給食だ。
二人は教室に行く時間だ。
この場から逃げられる。
そう思いながら、すでに山道を降り始める。
早く帰ろう。帰ろう。

道端に落ちている段ボール箱に、
持ち帰らなければならない書類が入っている。
いつものデイパックに書類を押し込む。
早くこの場を去りたい。
書類がくしゃくしゃになる。
段ボールにはビン牛乳が3本入っている。
このままだと無駄になる、教室に持っていかければいけない。

「誰か、誰かこの牛乳を持っていってください!」

そこで目が覚めた。
心臓がドキドキしていた。
部屋の暗がりから何か出てきそうだった。

復職は無理だと思った。