一人のパイロットを乗せて、
着陸して休むことをせずに、
空中給油を繰り返しながら、
ずっとずっと大空を飛び続けていました。
あちこちの部品が悲鳴を上げ始めても、
前へ前へ、
機体が嫌な音を立て始めても、
前へ前へ、
飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで、
飛び続けて、
そして
とうとう空中分解してしまったのでした。
今、パイロットは広い広い海の上、
救命ボートに傷ついたからだを横たえて、
飛行機を壊してしまったことを悔やみ、
飛行機に乗れなくなったことを悔やみながら、
一人波間を漂っています。
船酔いにも苦しめられながら。
パイロットよ、悔やむことはないのだ。
それがあなたの生き方だったのだから。