2008年10月30日木曜日

電話

家の電話が鳴っている。
職場からだ、きっと。
出たくないけど、でも仕方ない。
  
ワイヤレスの子機を取る。
穏やかな男性の声が聞こえる。
やっぱり職場からだ。
近況を報告する。
新しい診断書と一緒に近況報告送ってあるのに。

テレビの音がうるさい。
相手の声が聞こえない。
切れたかな?
全然聞こえない。
実家の、今はなくなった薄暗い階段を上り、
二階へ行く。

昔の職場の卒業生とその彼女がいる。
誰だっけ?
うれしそうに話しかけてくる。
私もうれしくて、なぜかとても安心する。
そうだ、電話だ。
   
「今電話中だからちょっと待って。」
  
でも受話器がなくなっている。

受話器を探す。見つからない。
一階へ降りる。
あった。よかった、まだ切れていない。
  
「もしもし、もしもし」

でも聞こえてきたのは、
聞いたことのない、お婆さんの声。

そこで目が覚める。
病休の延長をお願いする手紙を、
新しい診断書と一緒に職場に送った日の夜の夢。