家の電話が鳴っている。
職場からだ、きっと。
出たくないけど、でも仕方ない。
ワイヤレスの子機を取る。
穏やかな男性の声が聞こえる。
やっぱり職場からだ。
近況を報告する。
新しい診断書と一緒に近況報告送ってあるのに。
テレビの音がうるさい。
相手の声が聞こえない。
切れたかな?
全然聞こえない。
実家の、今はなくなった薄暗い階段を上り、
二階へ行く。
昔の職場の卒業生とその彼女がいる。
誰だっけ?
うれしそうに話しかけてくる。
私もうれしくて、なぜかとても安心する。
そうだ、電話だ。
「今電話中だからちょっと待って。」
でも受話器がなくなっている。
受話器を探す。見つからない。
一階へ降りる。
あった。よかった、まだ切れていない。
「もしもし、もしもし」
でも聞こえてきたのは、
聞いたことのない、お婆さんの声。
そこで目が覚める。
病休の延長をお願いする手紙を、
新しい診断書と一緒に職場に送った日の夜の夢。