2017年8月13日日曜日

アニメ版「フランダースの犬」最終回で涙

「フランダースの犬」の翻訳完成も間近で、
あとがきを書くために、パトラッシュの犬種や、
大聖堂内の絵画の配置を調べたりしているうちに、
ああ、これはやっぱり
アニメ版の最終回を見ておかねば、と思うようになった。

実は、結末が悲劇だと知っていたわたしは、

当時「フランダースの犬」をTVで見ていなかったのだ。



見てみて思ったのは、
昨今の、美しい色彩、描きこまれた背景、
なめらかな動き、大胆なアクションなどには
比べるべくもない地味な画作りでありながら、
実に感動的な作品になっているということだった。

とにかく間(ま)のとり方が絶妙なのだ。
じっくり取った間が、
見ているこちらの思いを、どんどん募らせてゆくのである。
   
昨日「メアリと魔女の花」を見てきたのだが、
なおさらそんな違いを見せつけられた気がするなぁ。
「メアリと魔女の花」も、それほど悪くはなかったのだが、
この最終回の凄さには太刀打ちできない。
  
泣きながら村の鐘を鳴らして、
ネロがいなくなったことを村人たちに知らせる子どもたち。
原作にはないこの演出がまた泣ける。
  
そして、最後のアロアの絶叫。
横たわる二人だけをとらえた無音の20秒。
パトラッシュが引く台車にネロが乗って、
二人がうれしそうに空に消えてゆくラスト。
どれもアニメならではの見事な演出である。

こういう切々とした感情が、
「メアリと魔女の花」には感じられなかったなぁ。