いつのことであったろうか
オバケと妖怪の水木しげるは
実は数多くの戦争ものや
歴史物を書いているんだなぁと
本屋で背表紙を見ながら思ったのだった
そうして手に取った中で
強烈な読後感を残した一冊が
この「総員玉砕せよ! (講談社文庫)」だった
戦争の無意味さ理不尽さ残酷さ
その上で日本軍のたどった地獄が
非常に正確に生々しく
そして淡々と描かれた希有な作品だ
ちょうど「ゲゲゲの女房」で
涙を流しながら描く場面が印象的だった…
特に主人公のラストは
生涯忘れられない
作者渾身の絵と言葉だと思う