朝の11時から夜の7時まで、
みっちり8時間ブースに張り付く二日間は、
座ったままで一見楽そうだが、
けっこうこたえるのである。
座りっぱなしは腰にも辛いし、
いつ話しかけられるとも限らないから、
ずっと緊張しているのである。
すると目や肩もとても疲れるのだ。
そんな中、気晴らしに会場を歩き回るだけでなく、
自分のブースに立ち寄ったお客のようなフリをする、
〝サクラごっこ〟を、な〜こと楽しんだ。
何ということはない、ただバッグを背負って、
壁面に並んでいる絵に見入ったり、
台に置いてある画集を手に取ったりするだけだが、
それでもお客さんの立ち止まり方が違ってくるのが
何だかとっても面白かったのだ。
実は3DCGソフトで描いていると、
完成するまで細かな部分がどうなっているのか
分からなかったりする。
だから、サクラになってまじまじと
自分の絵を眺めていると、
こんなところまで描かれているのか、みたいな
ちょっとした驚きや感動があったりしたのだ。
そして、眼鏡を外して、超近距離から
細部を確認していたら、
な〜こから「超変な人だよ」と言われて、
写真まで撮られた。
そこに写っていたのは、
確かに、そんなお客さんがいたら
ちょっと引いてしまいそうな、
〝超変な人〟であった。
楽しかったなぁ、サクラごっこ。