今年の秋旅は
実に現実離れした時間を楽しめた
一泊二日の温泉二人旅であった。
初日は、車両のくたびれ具合が味わい深い
超ローカル線大井川鐵道に乗って「千頭」で降り、
そこからバスで秘境駅として有名な
「奥大井湖上駅」に向かう。
電車ならこの湖の真ん中の駅で降りることになるのだが、
バスだと降りてすぐ近くにある展望スポット近くから
まず全景を見渡すことになる。
眼下に広がる大パノラマは、まさに異界。
曇り空の天気があいにくかと思いきや、
逆に、時折太陽の光が差すことで、
景色が刻々と色を変えるのが素晴らしかった。
スケール感が麻痺して、
ミニチュアのように見えたりするのも楽しい。
展望スポットかから山道&階段を一気に下りて、
「レンボーブリッジ」という遊歩道で
歩いて「奥大井湖上駅」へ行くことができる。
展望スポットから、接岨峡温泉に向かう。
通った道は、
「八橋(やっぱし)小道ラブ・ロマンス・ロード」という
山沿いの遊歩道で、
名前の通り、個性的な橋を八つも味わうことができた。
中にはこんな見事な吊り橋もあった。
橋をすべて渡り終わったところで、
接岨峡温泉「若返りの湯」に入って若返り、
大井川鐵道で川根温泉まで戻ってお宿。
久々の歩け歩け大会の疲れを
温泉で癒しのであった。
二日目は「千頭」の駅まで出て、
そこからバスで寸又温泉へ向かう。
目指すは長さ90mという「夢の吊橋」。
足元の隙間から真下の川が見え、
橋も縦横に揺れるので、
空中散歩をしているようでスリルがあり、
さらに橋の上からの景色も美しかった。
一度に10人しか渡れないので、
待っている人がいるため、
あまりのんびりはしていられなかったけれど。
そして渡り終えた場所から、
崖を登るかのような急階段で
上の遊歩道まで上がる。
304段もある。試練であったが、
いつものように歌いながら山登り〜♪
湖がエメラルドグリーンではなく
ちょっと濁った感じだったのが残念だったが、
次第に青空が広がり出し、
地味目だった紅葉も美しさを増した。
そしてバスで「千頭」まで戻ってきたら、
今回の旅の最後のハイライト、
SL乗車体験である。
でも、あたりまえなのだが、
乗っちゃったらこの勇姿はもう見えないのだ。
もちろん車内もレトロ感満載で楽しかったのだが、
ちょっと残念。
と思っていたら、1号車だったこともあって、
パワフルな警笛にダイナミックな蒸気が味わえて満足。
何て良い音なのでしょう!
二日目は朝から鼻炎ぽくて、
やむなく「ストナリニ」を飲んだのだが、
前日の疲れも手伝ってか、
SLの前後が超眠くて辛かった。
でも今回は本当に、
日常から遠い場所へ行ってきた感じがする。
〝すごい体験をした感〟が半端ないのだ。
ああ、楽しかった。
今回も計画立ててくれてありがとね〜。