2020年9月20日日曜日

「100日で崩壊する政権」(ぼうごなつこ)

著者なりの解釈や想像も含まれているので、
書かれている批判のすべてを
無批判に受け入れるわけには行かないにしても、
この時期の政府に
情けないほどの混乱や疑惑があったことは事実であり、
それは総理大臣が変わったとしても、
あるいは新コロナ禍が収束したとしても
あるいは新しい生活が定着することになったとしても、
やはり、忘れてはいけないのだと思うのだ。

そして、この計らずもさらけだされてしまった
〝他国よりも
ダメダメな日本〟という
日本国政府の実像が

「日本て素晴らしい!
 日本人て素敵!
 世界があこがれる日本!」

という、
長年テレビで垂れ流されていた
多くの人々の希望的
妄想をも
木っ端微塵に打ち砕いてしまった。

打ち砕かれるべき妄想が打ち砕かれたのは良かったが、
妄想と現実の落差があまりに大き過ぎた。
さすがに日本は世界一!とは思っていないが、
そこそこ堅実な国だろうと思っていた人でさえ、
あまりの情けなさにショックを受けたことであろう。

この、自国への落胆と不信は、
新コロナ禍の精神的なダメージの中でも
けっこう大きな部分ではないかと思う。
今の、人を許せないような
殺伐とした社会の雰囲気は、
そこに元凶があるのかもしれないな。
 
本書は、2020年の新コロナ禍における、
日本政府の混乱と迷走と
国民の落胆と怒りを記録した
貴重な一冊であると思う。