2021年7月31日土曜日

「竜とそばかすの姫」を見てきたのだ!


圧倒的な歌と映像。それに尽きる。
それだけでも、ずっと浸っていたくなる映画。
中村佳穂の歌手&声優がとにかく素晴らしいので、
特にその歌に浸れるかどうかで
作品への評価は大分変わると思う。

ワタシ的には、
このゴージャスな映像に負けないどころか、
それでも足りないくらいの歌の魅力に
大きな衝撃を受けてしまった。

そしてディズニー映画で有名な
ジン・キムが生み出したベル(Belle)の魅力。
クマドリをしたような派手なメイクなのに、
魅入られてしまう。
が、かなりジャパニーズ・アニメに寄せて入るが、
確かに目つきがディズニーっぽいかも。

全体の印象としては、
とにかく歌と映像が突出している上に、
場面場面で喚起される感情の振り幅が激しくて、
脳がとろける感じ。

映像も、仮想世界《U》だけでなく、
高知の自然の風景も
空気感まで感じられて、とても素晴らしい。
かと思うと、
主人公の吐瀉物まで描くえげつなさもある。

一つの力強いストーリーで突っ走るのではなく
さまざまな要素が詰め込まれている展開とか、
舞台で演劇でも見るように
真横から引きで描く独特のアングルとか、
ところどころにぶち込まれるギャグのテンポ感とか、
細田守作品らしさも健在。

そしてストーリー的に見ると、
ベルが竜に惹かれる理由の希薄さとか
すずを取り巻くサブキャラの不完全燃焼感とか
終盤の展開の唐突さとか
いろいろ釈然としない点はあるけれど、
それを凌駕するような、
〝何だかよくわからないが
 凄いものを見てしまった〟
と思わせてくれる強引な力が、
確かにこの映画にはあったのだ。

そして、いろいろあっても、
最後は現実世界が登場しても、
それでも仮想現実世界を否定しない
という姿勢が、新しい。