2011年8月6日土曜日

「マイマイ新子と千年の魔法」

  
以前買ってそのままにしていた
「マイマイ新子と千年の魔法」を観た

2009年の公開(DVD発売は2010年)で
公開当初よりも後になって
ジワジワと人気が高まったという作品

美しく描き込まれた画面に
懐かしい田園風景(昭和30年代山口県が舞台)
今現在を活き活きと生きる子どもたち
大人たちの世界に見え隠れする
冷酷な現実と死の臭い
そこに被さる千年の歴史と幻想

でもファンタジーではない
ハラハラドキドキな演出もない
異形のものなども登場しない
ノスタルジックなアイテム満載だが
ノスタルジーに浸らせないドライさがある

ストーリーだけ追えば昭和的な暗い話とも言える
でも見終わると元気をもらえる作品
生きる力を与えられる作品
そして
「なぜ?」とか「どこが?」とか聞かれると
答えにくい作品

傑作だった
ジブリ作品とは違ったリアルさと重さ
ジブリ作品に匹敵する映像と動きの美しさ
そしてわたしも麦畑を走り
“ダム”の水を足に浴び
夜の繁華街へ決死隊として突入し
真っ暗な田舎の夜の天の川を見上げ
現実の世界に戻って来たら
低空飛行していた場所から
かなり上昇している自分に気づいたのだった
  
意識しないまま知らず知らずに
相当ストレスをため込んでいたんだろうきっと
 
わかり易いカタルシスが
ラストに待っているわけではない
この不思議なアニメーション映画が
自分をかなり解放してくれたみたいであった