2011年12月3日土曜日

「ボクには世界がこう見えていた」小林和彦

  
明け方5:56
ケータイ(スマホ)に「緊急地震速報」メールが届く
何事か…またスパムメールかと思いながらチェエクして
「千葉県で地震発生 強い揺れに備えて下さい(気象庁)」
の文字にびっくり

だって今確か地震に遭う夢を見ていたんだから…
何というタイミング
予知夢か? シンクロニシティーか?
そう思いつつ

(これから揺れが来るのか…?)

と思いつつ身構えているつもりで
また眠ってしまった…

起きてから確認したら
地震は5:55にすでに発生していたのであった…
つまり
夢だけど…夢じゃなかった!
ってことである

最近ちょうど「ボクには世界がこう見えていた」(小林和彦著)を
読み終わったところだったので
きっと彼のように統合失調症に罹患していたら
神がボクに地震のメッセージを
人よりも早く知らせてくれたと思うかもしれない
あるいはボクの夢が世界に影響を及ぼし
地震を引き起こしてしまったと思うかもしれない
などと思ったのだった

地震の揺れにも起きずに
地震は夢に影響を与えただけだったんだ
ということが普通に分かるというのが
当たり前のことであるという思いが
ちょっと揺らいだ

この本は統合失調症を罹患した著者本人が
自分自身のその時々の思考や感情の動きを記録したものだ
統合失調症という精神障害に起因する一見奇異な言動の裏に
本人なりの内的体験や物語が潜んでいることがわかる

ちなみにこの本で初めて「壊廃」という言葉を知った
もちろん字を見れば意味は想像がつく
しかしそれを著者は自分自身に使う
「壊廃」に陥りたくないという
この「壊廃」という言葉が人間に使われた時のインパクトが
かなりのものであった

人が壊廃する時とはどんな状況なのだろう?
あるいは自分が時として壊廃する可能性があると
知っていながら生きるとはどんな気持ちなんだろう?