駅から家へ帰る時に
白仗で点字ブロックの上をたどって
ゆっくり歩いている男性を目にした
何となく気になって帰り道のルートを変えて
その人についていく
お店の前で
中から出てきた親子連れの子どもとぶつかる
店先に停めてあったバイクにぶつかる
そしてなんと
横道から出てきた自動車にぶつかる…寸前に
車は白仗を轢いてしたったのだ
白仗がなぎ倒され男性も腰を落とす
運転手は男性を轢いたと思ったんだろう
顔が青ざめていた
男性は白仗がはさまったことがわかったらしく
運転手に向かって
運転手に向かって
「そのまま前に出ちゃって下さい」
と言っている
と言っている
ケガはなかったようだ
でも車の方は流れの空き待ちだから
そう簡単には前の大通りには出られないし
第一窓が閉まっているから
白仗の男性の声も届かないだろう
白仗の男性の声も届かないだろう
とっさにわたしは指で
「バックバック!」と指示する
運転手はゆっくりバックする
白仗の先が後輪の下から抜ける
白仗が使えるようになって男性が立ち上がる
そこまで確認してわたしはその場を去った
後は車の運転手とその男性との問題である
運転手は謝るかもしれないし
そのまま走り去るかもしれない
でもそこまでは立ち入らない
わずか数十メートルの間の出来事
白仗を頼りに歩いている人は
本当に命がけなんだなぁとあらためて思う