2018年2月25日日曜日

「砂の器」(1974)

 
  
Amazonプライムで、野村芳太郎監督の「砂の器」見た。
昔々、一度おそらくテレビで見たことがあって、
強烈な印象が残っていた映画だった。

映像が、風景が、題材が、俳優が、テンポが

どれも自分が生きてきた昭和である。
それだけでも胸が締めつけられるが、
カメラワークも構図も素晴らしい。
  
おそらく今の感覚で見ると、
理解しづらい部分、共感しにくい部分も
いろいろとあるだろうし、
濃すぎる、暗すぎる、重すぎる感じが
今だと敬遠されることもあるかもしれないが、
ワタシには、昭和な時代の記憶が、
むしろぐっと押し寄せてきてしまったのだった。
  
特に後半の、ほぼ映像と音楽だけで
親子の悲惨なお遍路を見せる部分が圧巻だ。
山陰の自然の景色に二人の歩く姿が重なると、
もう泣けてきてしまうのだ。

もちろんドラマチックな映像の後ろで流れ続ける
芥川也寸志の
「ピアノと管弦楽のための組曲『宿命』」も
今聞くと少し濃すぎるきらいはあるけれど、素晴らしい。

しゃべる丹波哲郎としゃべらない加藤嘉が良いなぁ。
緒形拳、渥美清、森田健作、島田陽子、菅井きん、笠智衆など
そうそうたるメンバーが出演しているのもうれしい。
  
デリケートなテーマだけれど、
ほんの数十年前には、こうした世界が実際にあったのだ。
  
あえて、一言残念な点を挙げるとすれば、
加藤剛のピアノ演奏かな。
実際に弾いてほしかったな、無理だろうけど。