2009年1月14日水曜日

ベクシンスキー画集

Zdzislaw Beksinski(ズジスワフ・ベクシンスキー)はポーランドの画家。たまたまネットで不気味なのに妙に魅かれる絵を見つけたのが最初の出会い。以来とても気になっていたのだが、画集「The Fantastic Art of Beksinski」(MORPHEUS, 1998)を手に入れてしまった。
    
    
EL&Pのジャケットや映画「エイリアン」のキャラクターデザインで有名になったH.R.Giger(ギーガー)の作品集を見た時も、特に高校生くらいだったこともあって、“見ては行けない世界に踏み込んでしまった”感が凄まじかったが、最近ネットでBeksinskiの絵に出会った時も、久々に、見ては行けない世界に踏み込んでしまった〟衝撃を受けた。

生まれる前から刻み込まれていたような既視感を覚える、荒涼とした、しかしどこか人工的で、時になまめかしい風景。荒々しく生と死を感じさせるモチーフや色の組み合わせ。痛々しさと美しさがにじみ出る、多用されるクモの糸のような細い線。恐怖と狂気の向こうに見える、静けさと心地よさの宿る孤独な世界。彼のすべての作品にはタイトルはついていない。

「私は当初から至極単純に美しい絵を描こうとしてきたのだ。美しいこと。もちろんそれを媚びていると取る人もいるかもしれない。しかし、それは基本的なこと、唯一重要なことなのだ。」(同書より)

残念なのは、下のような、ネット上で見られる様々な作品が網羅されてはいないこと。 まだまだこんなもんじゃない。でも取りあえず現在のところでは必携。

ちなみに、彼の絵は同国のプログレッシヴ・ロックバンドCollage(コラージュ)のアルバムジャケットでも使用されている。