2009年3月1日日曜日

NHK「うつ病治療 常識が変わる」

「100万人を越えたと言われるうつ病患者。その半数は症状が再発、25%は治療に2年以上かかるなど、長引くケースが増えています。」
   
と始まる「NHKスペシャル『うつ病治療 常識が変わる』」(2009.2.25 深夜1:00放送)を見て、“不服薬計画”発動を決めたのだった。理由はいくつかある。


まず、うつ病患者にも色々なケースがあるし、新しいタイプのうつ病も出て来ていて、医者側のうつ病の診断や治療も困難になってきているという話が出てはくるのだが、やはり自分の症状は、うつ病と違うと思うのだ。振り返ってみても違う。食欲落ちないし。死にたいと思ったことは一度もないし。

そして服薬への不安。服薬量を見直して半分以下にした女性が劇的にうつ状態から改善する例が出てくる。うつ病の見立てとか薬の役割とか、根本的なところを考えずにただ漫然と薬を出してしまうケースも少なくないという。薬の量が増えて来ている自分の現状がダブった。

さらにセロトニンの働きを高める代表的な抗うつ剤SSRI(わたしが飲んでいたジェイゾロフトもこれ)は、過剰摂取すると脳内に異変が起きる。セロトニンが増え過ぎるとうつの症状が治まると同時に、意欲・やる気を出すドーパミンが減ってしまうというのだ。

ドーパミンが減ると無気力な状態になる。そしてそれがうつ症状に似ているので、抗うつ剤が効いていないと誤解され、抗うつ剤の量が増えるという悪循環。ひどいとめまいやふらつき、突然の転倒にも至るという。

もし自分がうつ病でないのに抗うつ剤を飲み続けていたら、知らない間にこの悪循環にはまってしまうのではないかと恐ろしくなった。

そして、いったん薬を切るべきだ。そう思ったのだ。

そしてこのブログでも紹介した「うつ病をなおす」(講談社現代新書、2004年)の著者、野村総一郎氏が紹介したのが下図である。



患者は、もの凄い勇気を持って主治医に質問したりお願いしたりする。うつ病であるのだから、そのエネルギーは大変なものである。だから、主治医側からの接し方が大事なのだ。そして薬以外の対応法を知らない。か、どうかはわからないけど、残念ながら、通院していて薬以外の対処法の話が出たことはない。また受診時間も5分くらいだ。込み具合が凄いから仕方ない部分もわかるんだけどね。

軽いうつが長く続く「気分変調症」、過食や過剰睡眠などの症状が出る「非定型うつ病」など、新しいタイプのうつ病も紹介される。精神科医にとって非常に難しい時代になったことは確かだ。でもある女性が良い病院を探して5カ所回ったところ、医師によって出された薬が全く違っていたという場面はショックだった。

私にとっては、夜中にすでにベッドに入っていたにも関わらず、どうしても「不服薬宣言」したくなるくらいの番組だったのだ。