「自分のメッセージを込めようと思って映画って作れないんですね。何かこっちじゃなきゃいけないと思ってそっちに進んでいくっていうのは何か意味があるんだろうけど、自分の意識でつかまえられないんです。つかまえられることに入っていくとたいていろくでもないところにいくんで、自分でよくわからないところに入っていかざるをえないんです。」
この言葉がとっても良いなぁと思った
“メッセージ”として説明出来るものなら
宮崎駿作品はこんなに支持されなかっただろう
親子の絆だの
家族の愛だの
試練を経ることによる成長だの
友だちの大切さだの
自然を守ろうだの
世界は一つ人類皆兄弟だのといった
ありふれたメッセージではない
何か得体の知れないものが
作品の奥底にあるからこそ
宮崎駿作品は
残酷で衝撃的な場面もなく
ラストは「一応」ハッピーエンドであると
分かっているにもかかわらず
これだけ人を惹き付けて止まないのだ
メッセージが先にあって作品を作るなんて
ナンセンス
作品が単純なメッセージに還元できると考えるのは
愚の骨頂
言葉で表現出来ないから
アニメーションにするのだ
これはどんな芸術だって同じである
言葉で表現出来ないから
アニメーションにするのだ
これはどんな芸術だって同じである
この素晴らしい言葉が
子どもから大人まで多くの人に愛されている
アニメーション監督から発せられたことが
日本のアニメーションの水準の高さを
図らずも物語っているように思う