「ピーター・パンとウェンディ」の翻訳作業だが、
8月中の発行を目指しているにもかかわらず、
第二稿の編集作業がなかなか進まないのだ。
13点あるモノクロ画像は全部揃い、
画質調整も済んでいて、
文章中への貼り付け作業も終わっている。
でも思っていた以上に、
ルビ付け作業と、訳文微調整に手間取っている。
特に「宇宙戦争」のような理屈っぽい文章とは違って、
比較的優しく短い文章が続く今作の場合、
より文章の自然な流れ、心地よいリズムに気をつかうのだ。
すると「〜です」を「〜なのです」に一文変えただけで、
続く文の末尾を次々と変えなくてはいけなくなったりする。
なかなか手強いのである。
8月中の発行は難しいか……。
予定に縛られて、焦って中途半端なものを出すよりも、
じっくり完成度を上げた方が良いに決まっているし。
それに、「ピーター・パンとウェンディ」なら、
「アルプスの少女ハイジ」や「あしながおじさん」並みに、
注目されるタイトルになる可能性もあるから、
大事にしたいしなぁ。
というところで、大格闘がまだまだ続く。
しかし、面白い作品である。
イマジネーションの広がり具合が
とにかく凄い作品なのだ。
虚実の怪しい混ざり具合も素晴らしい。
もちろん〝インディアン〟の扱いなど、
今から見れば多少の難点はあるのだが、
それでも、どうしてこんな作品が書けるんだろうと、
本気で思わせてくれるような、大傑作だと思う。
その素晴らしさが伝わる邦訳書にしたいなぁ。