ああ、もう泣けてくる……。
【プロジェクトX 第014回 「黒四ダム 断崖絶壁の難工事」】
時は高度成長期、関西地方は深刻な電力不足に陥っていたのだ。予定供給電力25万キロワットの黒四ダムが、どうしても必要だった。しかも、工期は7年。それ以上延ばせば、関西地方の経済活動に致命的な打撃を与えることになる。
工事は困難を極めた。まず、資材の輸送路を確保するために、全長5.4キロの大町トンネルを掘削する。頻発する落盤、大出水…度重なる困難を乗り越えて、トンネルは完成。峡谷に、次々と資材が運び込まれた。本工事もまた過酷だった。断崖絶壁に囲まれた現場、マイナス20度の厳寒、直撃する台風…。
しかし、ダム完成は彼らの使命だった。
前例のない大工事を決断し、自ら前線に足を運んだ関西電力社長・太田垣士郎。病に伏した娘を思いながら建設責任者の任務を全うした芳賀公介。親方として大町トンネル現場を仕切った笹島信義。過酷な本工事を指揮した中村精。そして、延べ1000万人にも及ぶ名もない作業員たち…。
(2005年10月11日・10月18日放送)