個人でkindleで本を出そうとする時、
その価格は著者が決めることができる。
換算ページ数やデータ量をもとに
kindle側で自動的に価格決定されるわけではない。
だから著者のこだわりや、思い入れや、戦略から
価格を自由に設定できるのである。
そして、一冊売れれば
その価格をもとに30%か70%が利益となる。
オリジナル作品で独占販売なら70%だ。
仮に買い手がその本をすべて読まなくても、
買ってもらえれば一冊分の売上になる。
そこは紙の本と同じである。
ところが
kindle unlimitedの場合は買い手が読んだページ数で
著者の印税(収益)が決まるのだ。
そこまで追跡調査されるのである。
ここで気になるのがその算出方法。
定価がいくらなのかはまったく関係なく、
換算1ページあたり0.5円〜1円ぐらいになっているらしい。
つまりもう、定価は読者だけでなく著者にとっても、
あってないようなものなのだ。
著者としては印税70%を諦めて30%を選べば
kindle unlimitedの対象にならなくて済む。
つまりunlimitedはやめて定価で1冊につき30%の利益を選ぶか、
unlimitedで換算1ページあたり0.5円〜1円を選ぶか、なのだ。
これってどうなんだろう?
もちろんunlimitedで売上部数が増えてくれれば
薄利多売で結果的に収益が増えるだろうけど、
必ずそうなるとも限らないし、
それ以前に、著者に定価を放棄させようとする仕組みって
良いのだろうか、と思うのである。
定価とページ換算から、
作品ごとに1ページあたりの金額を決めてほしいよなぁ。
そうなるとkindle側の支払いが膨大に膨らむだろうから、
unlimitedサービスに制限を加えれば良い。
月980円で3万円分ダウンロードが可能、とかね。
スマホのデータプランみたいな感じである。
それじゃあもうunlimited(無制限)じゃなくなるけども。
でもページ換算単価が勝手に決められてしまう売り方は、
何だかなぁと思う。
あ、でも《望林堂完訳文庫》は
必死になって新たに翻訳し直していても
〝パブリックドメイン〟扱いですから、
そもそもkindle unlimitedの対象にならないのだけどね。
余波も食らいそうな雰囲気だけど、
まあ、地道にやってゆくしかないのである。