2010年9月15日水曜日

バーンアウト症候群

バーンアウト症候群(Burnout Syndrome)。または日本語で「燃え尽き症候群」と呼ばれるものがある。以前からその名は知っており「適応障害」や「うつ病」との関係が気になっていたが、今日少しだけ調べてみた。

そうしたら今更だけれども、どうもわたしはコレじゃないかという気がしたのだ。

「燃え尽き症候群という用語は、アメリカの精神分析学者が提唱したもので、当初は、医師や看護師、教員、ソーシャルワーカーなど対人専門職のメンタルヘルスに関する概念でした。
   これらの職にある人は、長期間にわたる他人に対する援助の過程で、精神的なエネルギーが大きく要求されるにもかかわらず、相応の満足感や達成感が得られないことが多く、そのストレスから生じる極度の心身の疲労と感情の枯渇状態を、『燃え尽き』という言葉で表現したのです。
   燃え尽き症候群は、慢性的なエネルギーの使い過ぎが引き起こす、精神的に極度に衰弱した状態なのです。」

もともとは献身的努力の中で満足感や達成感などの結果が得られない限界を感じたことからくる、心が折れてしまったような無力感や絶望感と、それに伴うストレス性の体調不良を言うものだったようである。

しかし今は、目標が達成されないだけでなく、逆に大きな目標を達成してしまった後の虚脱感や、次の目標を見つけられない焦燥感、疎外感を原因とするものも広く含めているようだ。うつ病のきっかけになりやすいとか、外因性うつ病の一種とか言われたりもする。

しかしまたうつ病とは区別して

「うつ病との違いは『自分は何をやっても駄目だ』というような自責感を持つことがないところです。」 (「バーンアウト症候群」より)
  
と書かれているものもある。

仕事に全力を注ぎ、しかし大きな進展や成果もなく、その努力を評価してくれる人もいない。確かに病休前のわたしの置かれた状況を、わたしはそう捉えていた。そしてそれでもブレーキを踏まず、メーターで残りのガソリンを確認することもなく、全速力で走り続け大破した…。そんな感じだった。
  
確かにその一時期だけを見れば今の職場の状況に対する「適応障害」と言えなくもない。でも自分では違うんじゃないかとずっと思っていたのだ。「自分は何をやっても駄目だ」とは一度も思わなかった。

それにこの歳になって、それなりに経験も積んで、自分にも自信を持っていたにも関わらず、こうした状況になったというのは、やっぱり「適応障害」というよりは「バーンアウト」したんだという方がしっくりくる。もっと何年も前から少しずつ積み重なって、心身が追いつめられてきていた結果なのだきっと。
  
燃え尽きちゃったんだから、大変なのは当たり前だ。弱った火を再び大きくすることはそれほど難しくない。でも一旦消えた火をもう一度灯すには、手間と時間がかかる。ちょっとやそっとじゃエネルギーは回復しないのは、仕方のないことなのだ。
  
抗うつ剤も効かなかったわけである。わたしは「バーンアウト症候群」ではあるけれども、「うつ病」にはなっていない。そういうことだ。

それに実は両者の厳密な区別は関係ない。「バーンアウト(燃え尽きる/精根尽き果てる)」っていうイメージがしっくりくるのだ。