2010年9月29日水曜日

ニュースはやっぱりもうワイドショーである

ニュースを見ていると気が重くなる
今に始まったことではないけれど
ワイドショー化が進み
それが定着しちゃった感じがするからだ

ワイドショー化とは簡単に言えば
“単純化&扇情的”っていうことである
  
押尾学被告の取り上げ方が異様にデカイのが
ワイドショー的というのはまだわかりやすいが
尖閣諸島をめぐる中国の報道もまた
ワイドショー的である
もちろん民放だけでなくNHKも同じだ
  
中国人の一般市民にインタビューする
反日感情をむき出しにした言葉が
まったく予想通りに返ってくる
それを流してどうしたいのだ?
  
尖閣諸島といきなり言われても
歴史的にどういう経緯があって
両国がどういう認識でそれぞれの主張をしているかなんて
普通はわからないだろう 

そうしたら「自分の領土が侵された」と言われれば
感情的に反発してしまうのは仕方ないことだと思う
そんな映像を垂れ流せば
中国人に中国人は怒らねばならぬという意識を与え
さらに日本人の反中国感情をも引き出す
  
それを「中国国民の怒りは治まりません」っていうのは
結果的にマスコミが煽動していることにならないか
結果的にというかむしろ“何も考えずに” だ
  
ジャーナリズムの基本は
物事の多様性に光を当てることだと思う
様々な視点や立場から
物事の全体像や本質に迫ろうと姿勢が重要なのだ
   
わかりやすい方向に流れるのが“ワイドショー的”であるとすれば
そんなに物事は簡単に語れないんだということを示しながら
より入り組んだ方向に向うのが本来のジャーナリズムだと思うのだ
  
実際問題として
尖閣諸島問題なんて
早く終わってくれないと困ると思っている中国人だって
たくさんいるはずだろうに
単純な話SMAPの公演延期に激怒しているファンだって
少なくないだろう
  
それがどうして「反日感情が爆発している中国」という
扇情的でシンプルなイメージに落ち着いてしまうのか
  
ワイドショーだからと思えば理解できる
でもそれでいいのか?
「ニュース」にはまだ「ワイドショー」以上の影響力がある
そこが恐い
そういう点ではNHK「ニュース」の責任は重いと思うぞ
  
日本のジャーナリズムは
そうした使命や責任といったものに無自覚になってしまった
プライドを無くしたとしか思えない

“尖閣諸島問題に困惑する中国人たち”っていう内容で
「クローズアップ現代」やりませんか
  
罪滅ぼしですよNHK様