電車に乗っていた時のこと
比較的混んでいるけれど
すし詰め状態ではない車内で
iPodで音楽を聴きながら雑誌を読んでいたのだ
そうしたら
目の前の女性の髪の毛に
大きさ1㎝に満たないほどのクモがたかっていた
クモは髪の毛を一生懸命上っていた
でも髪の毛の中へ入ってしまいそうな危険もあった
さてどうします?こんな時
もちろんその人はたまたま乗り合わせたまったくの他人で
年齢的には中年くらいの女性である
悩んだ
わたしの降りる駅はあと2つ先だった
見なかったことにして降りてしまえばいいか…
でも髪の毛の中にクモがうごめいているなんて
イヤだろうなぁとも思った
人によったら卒倒しそうな出来事かもしれない…
時間にしては数秒か数十秒だと思うけど
迷いに迷ったわたしは
iPodをはずし
目の前の女性の肩を軽く叩いて話しかけたのだ
「あのちょっとごめんなさい、髪の毛にクモが…」
言ってから焦った
それこそ卒倒するような人だったら
それだけで絶叫&大騒ぎになりかねないではないか
しかしその方は落ち着いて
「えっ?クモですか?」
と言うと
慌てるでもなく自分で髪の毛を払い始めた
ありがたいことにクモは彼女の見える足下へと落ちて行った
そうなのだ
そのクモの行く先を見て思ったのだ
クモが見えなかったらもしかすると
わたしはへんてこな理由を付けて話しかけ
わたしはへんてこな理由を付けて話しかけ
突然肩に触れた不審人物になっていたかもしれない…
そんなことを思っているうちに
わたしが降りる駅に到着した
何事もおきず
わたしは無事ホームに降り立った
でも“適応障害・うつ病”的に見れば
こういう気持ちになって
行動に移せたってことを喜ぼう
それだけ今はとっても“普通”になっているわけだから