Design Festaのための文房具を買いに
近くの100円ショップに行ったのだが
帰りに御用達熱烈中華食堂「日高屋」で
夕食にすることにしたのだ
まだ時間は夕方の5時を回ったくらい
夕食にはかなり早い時間だけれど
その方が食事処は混まなくて良いのだ
それにそもそも最初の定時制の給食が
当初授業開始前の5時半開始だったこともあって
このぐらいの時間に夕食をとることには
いまだに抵抗が無いのである
(その後2コマ授業をやって7時からになった)
ところが今日はちょっと混んでいたので
カウンター席でお隣にも人がいたのだった
その人が突然話しかけてきたのだ
「ええっと…空をですね、雲が動いてますよね…。あの雲、どっちの方角に流れているんでしょうね?」
薮から棒になんて質問だと思ったが
ふとスマホに方位計アプリがあったことを思い出した
それを恐らくスマホを買ってから初めて立ち上げて
今居る場所の方位を表示させてみた
「だいたい北に向かっているって感じですね。」
「あぁそうですか。いやわたしもスマホってのを持ってはいるんですが、もう使い方がわからなくて…。何だか便利になっているようでいて、知らないところで何されてるか、どんな犯罪に巻き込まれているかわからないご時世だから、スマホもあんまり使う気になれないし、家でもパソコンはできるだけ電源を落としているんですよ。」
その方は初老の男性で酒の肴とビールを頼んでいた
わたしは定食を食べつつちょっと警戒しながら
その後も雑談は続くことになった
政治の話からは
学生運動体験のある団塊の世代という臭いがした
今は年金生活の一人ぐらいか
難しいと言いながら知的な関心もあるし
生活面でもまだまだ人の世話になんかならないという
気概のようなものも感じた
今は年金生活の一人ぐらいか
難しいと言いながら知的な関心もあるし
生活面でもまだまだ人の世話になんかならないという
気概のようなものも感じた
話はあちこちに飛び
株の値上がりで500万が590万になってちょっと小金持だとか
駅のそばに美味い魚を食わせてくれる店があるとか
楽しい老後の自慢話かと思えば
毎日この店で食事をして
目にする空はこの店の窓からビルの谷間越しに見る
あの三角の狭い空しか無いとか
向いの花屋に来る客を見ていると
色々な人たちの生活を伺い知ることができるだとか
ちょっとした老いの悲哀も漂わせたりしていた
話題はコロコロ変わったが
話に破綻はなかったし
情緒的に不安定な感じもなかった
要するにに誰かと話がしたかったんだろうな
人生の悲哀ならわたしだって負けてはいないぞ
相手が引くほど色々な話題を持っているからな
でも食事は一人落ち着いて良く噛みながら取りたかったので
わたしはほとんど相づちを打ちながら食事に集中していた
拒絶するでもなく盛り上がるでもない距離感のまま
「じゃあわたしはもう行きます。」と言って店を出た
またあのお店で会うこともあるかもしれない
そうでなくてもこれからは
前の道を歩く姿などを
お店の中から見られることになるかもしれない
まぁ別に気にはしないけれど
前の道を歩く姿などを
お店の中から見られることになるかもしれない
まぁ別に気にはしないけれど
しかし…今日は人と出会う日なのかな