ようやく「水の精霊ウンディーネ」の
翻訳第一稿が出来上がった。
フーケーによるドイツ文学の名作である。
思えば2月頭にはウクレレの発表があり、
その直後にインフルエンザBで寝込んだのだから、
翻訳に時間を避けない期間もけっこうあったのだ。
だから、ここまでたどり着けた自分を、
まずは褒めたいのである。
で、この作品が面白かったのだ。
異類婚姻譚の一つではあるが、
ファンタジーとリアリティーのバランスがとても良く、
思っていた以上にウンディーネの悲しみに共感したり、
予想を遥かに上回るホラーなクライマックスに
ドキドキしたりしてしまった。
これが200年以上前の1811年の作品とは……。
詳細な心理描写などしなくとも、
ドラマチックな場面と小気味良い展開で、
これだけ深いものが書けるのである。
早く出版までこぎつけたいものだ。