「すずちゃんののうみそ」竹山 美奈子・文/三木 葉苗・絵
「すずちゃんののうみそ」は
自閉症スペクトラム児を持つ母親が、
素朴な疑問に手紙で答える形式で綴る、
すずちゃんを紹介する絵本。
文を書いた著者の娘さんも、
絵を描いた作者の妹さんも自閉症だという。
自閉症児・者の、
一見意味不明で、奇異な行動には
本人なりの理由があることが
やさしく説かれているのが素敵だ。
そして、なにより、この絵にインパクトがある。
アニメ調でもイラストカット調でもなく、
すずちゃんの内面をのぞき込むような絵。
だから、同情や哀れみでもなく、
「仲良くしましょうね」的なお題目でもなく、
一人の人間としての自閉症児の
心のあり方に触れたような気持ちになるのだ。
なかなかお目にかかれない
力のある本だと思う。