2009年4月4日土曜日

コミックバンドとしてのドリフターズ

  
数日前にドリフターズ特番をやっていた。まだまだドリフ再評価は続いているんだなぁ。お笑いブームが続いていると言っても、ドリフの計算と稽古によるコントと、それを支えるプロデューサー、舞台美術、そして会場のお客さんが、一体となって繰り広げるタイプのお笑いは、今はないからね。

今の主流は身近なところで見つけたオモシロネタ、一発ギャグ的なものが多い。漫談もコントも、パターンが似てるから、誰がやっても同じように見えてしまう場合もある。

「あ〜んあんあ、やんなっちゃった〜、あ〜んあんあおどろいた」というフレーズで時事ネタを披露するウクレレ漫談の牧伸二が「牧伸二のウクレレ人生」(牧伸二、みくに出版、1995年)で、「テレビで見られる芸は本当にバリエーションが少ない」と嘆いている。そして新しいコミックバンドが登場しないものだろうかと憂いている。

ドリフだって、もともとはミュージシャンからコミックバンドになったという経歴を持つ。コミックバンドとは、楽器演奏や歌を絡ませながら笑いを取るタイプのお笑いグループのことだ。
   
  
古くはドリフの師匠格クレージー・キャッツを筆頭に、ドンキー・カルテット、殿様キングス、玉川カルテット、モダンカンカンなどが競い合っていた。1960年代から1970年代のことだ。

ドリフの加藤茶とクレイジーのハナ肇のドラム合戦なんていうのもあったのだ。ドラマーとしての腕も鍛えられた二人だから、最初はドラムソロの掛け合いである。それがだんだんドラムセットから離れていろいろなものをたたき出す。二人ともウロウロしながら、それでもリズムを崩さず床とか椅子とか叩いて回る。最後にマイクまで叩く、といったギャグ。瞬間芸的爆笑じゃないんだけど、なんかほのぼのと可笑しいのだ。

時代の笑い、時代のテンポというものもあるだろう。番組作りにかけられる時間やお金の制約も当時と今では違うだろう。わたしだって「エンタの神様」も「爆笑 お笑いレッドカーペット」もiPod用に録画するくらい好きな番組である。

でもふと「テレビで見られる芸は本当にバリエーションが少ない」という牧伸二の言葉を思い出してしまう。でも今ドリフターズタイプのお笑いができるのは…スマップぐらいか。

そんなこと言ったら色んなところから石が飛んでくるかな。

そしてもう一つ。「大正テレビ寄席」の牧伸二の漫談コーナーは3分だったという。「そしてある日、気がつくと3分以上のウクレレ漫談はできなくなっていた」と。これではマズいと思った彼は、飛び込みでのキャバレー回りで芸の幅を広げ、何分でも舞台に立てるようになっていく。

観客の反応を見ながら芸をやっていくことの大切さ。冷めた目で見ている観客をも魅きつけ煽っていく技術。人ごとながら今のお笑いを楽しみつつ、ちょっと個人的にはこの点は気になっているのだった。

あ、それはストレスにはなりませんから。