2009年4月4日土曜日

昨年春の「呼名簿」作り


昨年の今頃は新入生を迎え入れる準備をしていたんだけど、取りあえず気にかかっていたのは呼名であった。咳が取れない不安もあったし、
壇上で一人スポットライトを浴びる緊張もあった。名前を間違えずに、言いよどむこと無く、はっきり聞こえるように呼名したかった。

それには「呼名簿」を作りたかった。新入生名簿はできている。クラスごとに並べられよみがなもふられている。それを持っていけば事足りることではある。
でも直々に名前が呼ばれるというのは、あなたはこの学校の一員となったんですよっていうことを、本人も保護者の方も、一番実感する場面だ。こちらもそれなりの気合いを持って臨みたいと思った。「おめでとう」っていう気持ちが伝えられるような余裕を持ちたいと思った。

そういう時にわたしが頼るのが自作のモノなのだ。この時は自作の「呼名簿」を作っていった。もともと紙一枚持って壇上へ上がるのはみずぼらしいと思っていたし。

文房具屋へ行き表紙が厚手のクリアーファイルを買った。表紙は厚手だが透明だったので、ブルー地の表紙と裏表紙を作ってはめ込んだ。見た目にも美しい「呼名簿」ができあがった。小脇に抱えて座席から壇上に上がる時にもいい感じだ。
  
  
各クラス1枚で10クラス分のシートが入るタイプを選んだ。クラスごとの名簿は大きめの字で、漢字とよみがなを並べて横に並べた。演台の暗い明かりでもはっきり確認できるためだ。

難しい読み方や、言いづらい名前にはマーカーで印をつけて、注意するようにした。そして何度も呼名の練習をした。

こういう自作のモノを作ると、俄然やる気になるのが自分の性格なのだ。結局自分なりに頭の中で段取りの整理をしているんだと思う。整理しながらすでにイメージトレーニングしているのだ。だから人が作ったモノでは自分の頭の整理にはならないのだ。余計な時間がかかるけど、納得して事に当たるには結局そうすることが一番なのだ。

呼名は無事終わった。返事がすぐ返ってこない生徒には、会場を見渡し、ちょっと待ってあげる余裕すらあった。自作の「呼名簿」が、自分の自信をそこまで高めてくれていた。

でも、だから仕事が増えちゃうんですね。すでに出来上がっているものを自分がやるときには一旦アレンジし直すから、納得はいくんだけど時間がギリギリになる。そんなやり方をしながら、同僚の抱える問題までなんとかしようと頑張っていたら、遅かれ早かれパンクするのは目に見えていたのかもしれないな。

だからそういう生き方だから仕方ないんだって。