2011年3月16日水曜日

NHKの被災地報道

東北関東大震災で被災され避難されている方々は
数多くの避難所に身を寄せている
被災者や避難場所が多いことや
道路などの移動・輸送ルートが分断されていることなどから
十分な情報のやり取りや物資の支援ができずにいるという

そうした支援が十分にできていない状況に対して
現地で対応している方々や
あるいは県などの自治体そして国に対して
その対応の遅さや不十分さを憂え
批判・非難することは容易い

でもそれはまさしく“ワイドショー”的無責任な態度でしかない

NHKの避難所報道には
何となく今報道がすべきことをやろうとしている姿勢が見える
  
避難所から報道するさいに必ず
今必要としているものをキャスターが聞いている
それはこんな状態がまだこの場所では続いているのだという
現地での対応の遅さを指摘・非難へと
結論を持って行こうとするものとは違う

むしろニュース番組の中で
そうした個々の避難所の状況を
中々手が回り切れないでいるスタッフに情報提供しようという
「報道」が今できる役割を担おうとしている気がするのだ

どこかの局で
被災者に執拗にインタビューをして
泣かせようとしていた無責任・無反省な“非人道的”なものとは違う

報道がこういう災害時にできることは
被災地で起きている事実を広く知らしめることだけでなく
実はこうした被災者を支援するために役に立つ情報を
それを必要としているターゲットに向って発信する
そんな役割があることに気づかされた
番組を見た現地スタッフが
状況を把握し対応に乗り出せれば
報道は支援体制の一部として大きな機能を持つことになる

これが同じ現地報道でも
対応の遅さを非難するためのものであったら
逆に現地スタッフの頑張りに水をさすことになりかねない

ちょっとした報道の仕方の違いに見えるけれど
実は大きなスタンスの違いがそこにはある