Amazonプライムビデオで見た。
傑作だった。
母親とのある出来事をきっかけに、
悪夢障害に苦しみ続ける女の子と
その子を救おうとして、逆に苦しめてしまう父親。
この設定だけで、かなり重い。
特にサキの食事風景が殺伐としていて恐ろしい……。
この設定だけで、かなり重い。
特にサキの食事風景が殺伐としていて恐ろしい……。
そして悪夢の描き方がエグい。
見た子どもにとってトラウマになるレベル。
いや、大人でも相当嫌だと思う。
そんなヒリヒリするような恐ろしい話と映像を、
下品なギャグが実にうまく救って、
物語を先へ先へと引っ張ってゆく。
おかげで実はかなり不気味で妖しい世界なのに、
ある意味安心して見ていられるのだ。
このバランス感覚が絶妙だ。
かなり執拗に恐ろしい場面が続くけれど、
それが、大人の鑑賞にも耐える
クレヨンしんちゃんの凄さであり、
この映画のリアルさなのだと思う。
「あいるはほんとに5歳なのか?」に大笑いし、
その夢の中に入っていこうとする
かすかべ防衛隊に涙したりしているうちに、
かすかべ防衛隊に涙したりしているうちに、
不意に深いところを突かれる作品。
悪夢が完全には払拭されないという結末も
悪夢が完全には払拭されないという結末も
クレヨンしんちゃんならではの深さだ。
家族愛や親子愛が鼻につく作品もあるが、
今回はそういう
漠然とした〝理想形〟の押し付け感が少ないのも良い。
そしてアニメーション的な魅力。
遠近を縦横無尽に動き回るキャラクターや
悪夢に出てくる化け物たち、
モノクロームを基調とした悪夢の異様な世界、
都市や園内が細部まで丁寧に描かれている気持ち良さ。
アニメーション的な快感や
映像表現としての多彩さ、
プロットの面白さと
下品なギャグとシリアスな場面のバランス具合、
描線の強烈なオリジナリティ、
すべてが素晴らしい作品だ!