実家の居間のエアコンが壊れかかっている。
水漏れもひどく、風量も弱く、ルーバーも効かない。
それを早く買い換えろと二年前くらいから
口を酸っぱくして言ってきたのだ。
相手は弟である。
この惨状を招いている張本人だ。
ほとんどが彼のCDである。
自分の部屋に入り切らなくなり、
階段を侵食し、ついに居間にまで押し寄せてきたのだ。
全部をきれいに片付けてもらいたいが、
少なくとも居間の床を空けてもらわないと、
エアコンの交換作業ができない。
しかしこのCDの山は、人には触らせないのである。
だから手は出せない。言うしかないのだ。
ようやくエアコンのカタログを見始めたらしい。
何を悠長なことをしているんだか……。
わたしと、母と、訪問看護師さんが言い続けて、
それでもこんな呑気なのだから、
どこかタガが外れているとしか思えない。
しかし、片付けでも、取替作業の立会いでも、
予定が立って言ってくれればやると伝えてあるから、
今はとにかく、待つことにしよう。
数年前にわたしが
全部きれいに片付けたことがあるのだ。
ああ、本当にこの夏に間に合うのか不安だなぁ。