真新しい校舎は複雑に入り組んでいて
教室がいろいろな場所に散らばっているので
目指すクラスが見つけにくい
すでに授業は始まっていて
今通り抜けようとしているクラスでは
英語のプリントが配られているところだ
前回の続きらしい
「もうこんなに進んでいるクラスもあるんだなぁ」
それを見ながらちょっと焦りつつ
上の階へと続く階段を上る
卒業したはずの懐かしい生徒たちが集まって
廊下の手すりから吹き抜けの玄関を見下ろしている
相変わらずあの生徒は目立つなぁ
それなりに美人なんだけど言葉が下品なのが玉に傷で
複雑な家庭に生まれながら根は素直な子だったなぁ
ふと我に返ったように思う
「いや、わたしは授業の準備をしなくていいんだ。
もう教員辞めたんだもの。」
もう教員辞めたんだもの。」
わたしは校舎を出る
気づくと実家の街に来ている
でもそこは一面の大洪水で
目の前を濁流が走っている
目の前を濁流が走っている
かろうじて実家の方向がわかるぐらいだ
見知らぬ親子三人家族がクルマでやってきて声をかけてくれる
ありがたいことに
困っているなら途中まで送ると言うのだ
困っているなら途中まで送ると言うのだ
見たことのない人たちだけど
元ヤンキー風な雰囲気が妙に懐かしい
どこかで教えた生徒の卒業後の姿だったのかもしれない
家の近くまで送ってもらって彼らと別れる
ここで川を渡るゴンドラのようなものに乗らねばならない
ゴンドラはすでに帰宅途中の生徒たちで一杯だったが
何人かがわざわざ降りてわたしを乗せてくれた
目の前に座っている生徒もたぶん知っている生徒で
まるで付き添ってくれるかのように
ニコニコとこちらと見て微笑んでくれる
相変わらず髪を染めてるから
学校では注意されてるんじゃないかなとか思う
相変わらず髪を染めてるから
学校では注意されてるんじゃないかなとか思う
ゴンドラが動き始める
向こう岸へ着けば実家はすぐそばだ
という夢
学校の夢を見たのは疲労とストレスのせいだろう
実際首の苦しさと頭痛で眠りが浅く
朝方どうにも苦しくて起き出して
安定剤メイラックスと頭痛薬を飲んだ
でも不思議と
生徒たちがわたしをいたわってくれる
何かこれはとてもスゴいことだ
例え燃え尽き自分の一部が“死ぬ”ほどだったにせよ
その苦労はきっと報われているのだ
そんな気がした
そんな気がした
薬を飲んでちょっとウトウトしたらもう朝だった
重いカラダをベッドから引きはがして
朝のルーチンワークに取りかかる
でも学校の夢は“悪夢”ではなかったと思った
むしろ場面ごとには大変な状況でありながらも
ほのぼのとした温かみを残してくれていた
そのせいか
体調が良くないにも関わらず
気持ちは落ちていない
でもまたなんで体調が良くないのかもわからない
昨日から少し首が重く頭痛っぽい感じはあったけど
朝が頼んだ薬が効いてくれることを祈ろう