喘ぎながら何とか自分を鼓舞して
毎日ギリギリのところで過ごしていた頃
力をもらったアルバムに
Gipsy Kingsの「Pasajero」(2006)がある
ちょうど退職校に異動を決めた年に発売という
まさに新しい世界に飛び込むタイミングだったので
“自分の応援歌”みたいに思ったものだった
2007年からの異動後も
通勤途中で良く聴いていたのだ
そのGipsy Kingsの新譜が発売されるのだ
タイトルは「Savor Flamenco」
バンド結成25周年記念アルバムだという
「Pasajero」は確か国内盤が発売されなかった
国内マーケット的には“もう売れない”と判断されたのだろうが
このアルバムは傑作であった
Gipsy Kingsというと
フラメンコとポップスが融合したサウンドが特徴だが
ワタシはバンドの試行錯誤が
ずっと続いていたんじゃないかと思っていたのだ
それはズバリドラムスとギター・ストロークの問題である
ポップス的にリズムを分かりやすく強調するなら
そして大きなコンサートでも迫力あるサウンドを実現するなら
ドラムスを使った方が効果的である
でもそうすると大勢でギターをかきならしてリズムを取る
フラメンコ的ダイナミックさという魅力が失われてしまう
この現時点での最新アルバム「Pasajero」は
ほぼ完全にドラムスを排して作られている
しかしベースは残してリズムは強調され
音の薄さや弱々しさは全く感じられない
結果的にこの選択は大正解で
ロック的な力強さは若干後退したが
バンドの円熟さと相まって
実に味わい深いサウンドになっているのだ
おそらく新作も同傾向なサウンドになっているであろう
10月22日発売が今から待ち遠しいのである
ちなみに当時同じように
“自分の応援歌”として聴いていたアルバムに
Anekdotenの「A TIME OF DAY」(2007)がある
そのAnekdotenも今6thアルバムを制作中なのだ
何だか自分の中で
一つの“時代”が終って
次の“時代”が始まろうとしているみたいな
そんな感じがちょっとするなぁ