2013年12月18日水曜日

あえて「作品」と呼ぶこと

自分が描いたものを自分で「作品」と呼ぶのは
ずっとためらっていたのだった
偉そうに「作品」なんて言うのは
何とおこがましいことであろうかと
ずっと思っていたので

例えばアートフェスタとか画集制作などで

他の人と打合せをする時には
便宜上「作品」と呼んだ方が話が早かったりするから
仕方なくそう呼んではいたが
居心地の悪さは相当なものであった

でも今は敢えて

その居心地の悪さを感じつつ
「作品」と呼ぼうと思っているのだ
  
それはやっぱりちゃんとお金を出して
ワタシの絵や画集を買ってくれる人に対しての
礼儀であろうと思うようになったからなのだ

そういう人たちに対して


「いえいえ、ちょっとした手慰み、単なる趣味、落書きに毛が生えた程度のもので…、本当に大したものではないんですが…エヘヘ。」


みたいな自信なさそうな態度を取ったり

あるいは描いたものを卑下してみせたりするのは
例えそれが謙遜から出たものであろうとも
お金を出そうという人には心地良くないだろうと思うのだ
と言うよりそれはむしろ
お客様に対してとても失礼なことであろう

この作者が精一杯頑張って

曲がりなりにも値段を付けられる「作品」にまで
何とか作り込んだのだと思って
買う決心をしてくれた人なのだから
こちらは言い訳じみた余計なことを言う必要はない

「嬉しいです!ありがとうございます!」


で良いと思うのだ


もちろん「作品」であり「商品」であるなら

内容だけでなくプリントアウトやその管理まで含めて
最善の状態でお渡ししたい
そういう部分でも言い訳したくない
アマチュアだから…みたいな甘えに逃げたくないのだ

敢えて自分から「作品」と呼ぼうと思うには

そういう気持ちというか心構えというか
覚悟みたいなものがあるのである
  
居心地の悪さは大事にしたいと思う
それは最善を尽くすことを忘れないために
常に自分に問いかけ続けている証であろうから