2009年2月4日水曜日

教員とうつ病

わたしの診断名は適応障害である。これは「明確な原因があって、抑うつ的症状を示す障害」である。したがってその明確な原因が緩和されるか取り除かれない限り、抑うつ症状は続く。逆に言えば明確な原因から遠ざかっていれば抑うつ症状はある程度良くなる。だから休職している今、こうしてなんとか動きながら生活できているわけだ。自分ではあまりその“明確な理由”がよくわかっていないんだけれども。

その違いをわかった上で、自分の抑うつ気分から推察してみると、教員がうつ病になった場合は、復帰が非常に難しいだろうなぁと思うのだ。

まず人を相手にする仕事から逃れられない。管理職でない限り、基本的に授業をしないわけにはいかない。それも自分が中心になって生徒を動かさなければならない。一般企業のように(会社によって様々ではあると思うが)、以前は顧客対応だったけど、じゃあ復職後は経理で事務作業中心にしようか、と仕事内容を変えたり、別の部署に移って違う集団の中で仕事してみようか、と職場環境を変えたりすることができないのだ。

さらに学校では予定外なことも頻繁に起きる。生徒がケガをした、ケンカした、体調が悪くなった、トイレに閉じこもった、いなくなった等々。その場その場での判断と対応が求められる。わたしは復職したばかりなので関われませんとか言っていられない。またうれしいことではあるが、個人的に頼ってくる生徒や話したがる生徒もいる。それを無下に断るわけにはいかない。それも大事な仕事なのだから。

つまり教員にとっては、復職=即最前線復帰なのだ。

授業の持ち時間数を減らすとか勤務時間を調整するとかが可能だとしても、例えば「国語」の授業を「英語」の教員が代替で行うことなどできないわけだから、現実的には難しい。となると、病休あるいは休職以前と同じ量の仕事をこなせるかどうかを考えてしまうのだ。

こうやって、ああ復職することは大変だ、またあの嵐のような毎日に飛び込んでいかなければならないんだ、と思うこと自体が、またストレスになってしまう。

うつ病者の復職って、人相手の仕事はどこも大変なのだろうけど、人相手以外の逃げ場がない教員という職業は特に大変なのだろうなぁと、半ば他人事のように考えたいわたしであった。