2016年11月8日火曜日

学校という超ブラックな職場

マスコミで話題になるような公務員批判として、
教員のモラルなどを糾弾しようというのではない。
   
むしろ逆で、学校の先生方は本当に頑張っていると思う。
もちろん色々な教職員がいることは確かだが、
20年以上教員をやった印象としては、
子どもたちのためにと思って、
心血を注いでいる方々がほとんどである。

もちろん、そうした思いの押しつけや、

思いと現状のズレが問題になったり、
逆にその思いの強さが、
正しい理解のさまたげになったりすることもあるから、
そもそも、とても難しい仕事なのだ。

そこへもってきて、仕事の量が半端ではない。

まず授業がある。空き時間や放課後には
教科会議、分掌会議、学年会議、職員会議など
様々な会議が入る。
小・中・特別支援校なら、お昼時間も給食指導だ。
さらに放課後は部活動の指導もある。
もちろん土日が部活指導で埋まってしまう人もいる。
  
その上に、生徒指導や生徒相談や進路相談にも対応する。
特に生徒指導はいきなり事件が起こっていきなり始まる。
「退勤時間」になったから帰ります、
というわけにはいかない。
当然、その日の予定はすべて狂う。
場合によっては会議のあとに
家庭訪問したりすることもあるし。
     
じゃあ、教材研究や授業準備はいつやるの?
基本的に自分の仕事は後回しとなる。
「退勤時間」後くらいがやっとホッとできる時間で、
そこでようやく自分の仕事に手を付け始めるのだ。
     
ところが、である。
現在、職員カードを使って
「出勤時間」の打刻が行わるようになってきているが、
なぜか依然として、
「退勤時間」は打刻されていないのだ!
ちゃんと時間通りに出勤していることは記録されるが、
いつ帰ったのかは記録されないのである。
    
ということはつまり、
個々の残業時間の記録がないのである!!
     
その悲惨な勤務状況が時々垣間見えるのは、
教員にアンケートをした時ぐらいなのだ。
つまり個人的な記録とか記憶とかに頼るしかないのだ。
それで管理職は、教員が過労状況にあるかどうかを
把握できると言えるのか?
     
どうです? 
残業時間の多さが問題になっているこのご時世に、
そもそも残業時間そのものが記録されていない職場。
その過酷な仕事を、
子どもたちの笑顔と、使命感と、ボランティア精神で
どうにか乗り切っている職場。
  
教員は本当に良く頑張っていると思うのだが、
あくまで制度としての話として言うなら、
学校は、残業時間さえ記録されない超ブラックな職場である。
   
「定時退勤日」みたいな呼びかけでお茶を濁すのではなく、
きちんと退勤時間を打刻し、
少なくとも
個々の教員の勤務実態と健康状況が把握できるような
まっとうな職場になって欲しい。
   
教員をちゃんと「人」として扱ってほしい。