横でうたた寝していたな〜こが
はっと目を覚ます。
「あぁ、ごめんね〜寝ちゃったぁ〜」
「いいんだよ、疲れているんだから寝てな〜」
「それ、ブドウに言ったの?」
「……ブ・ド・ウ?」
「……あっ、寝言言っちゃったよ〜」
二人して大笑いであった。
でも考えてみると
なかなか不思議な〝寝言〟だった。
つまり、はっと目を覚ましたように見えて、
まだ眠っていたってことか?
「寝ちゃったよ〜」
も寝言だったのか?
いや、一瞬起きたのは確かであろう。
その直後にまた眠ったのだ。
眠ったというか、半覚醒状態だったんだろうな。
そしてまた、
「ブドウって言ったの?」
じゃなくて
「ブドウに言ったの?」
とは、何じゃ?
「今のはわたしに言った言葉じゃなくて、
ブドウに言った言葉なの?」
ってことか?
ブドウって果物じゃなくて人の名前か?
それとも擬人化か?
ワタシはよくブドウに話しかける人なのか?
謎だらけである。
面白いなぁ、な〜こは。