2019年1月19日土曜日

《望林堂完訳文庫》第28弾は「星の帆船」

「星の帆船」(The Ship That Sailed To Mars)は
イギリス人建築家ウィリアム・ティムリンが
1923年に発表したファンタジー。
  
何と、オリジナルストーリーのみならず、
48ページのキャリグラフィ(手書き装飾文字)と
48枚のカラーイラストを
すべて自力で創り上げ、一冊にまとめたのだ。

特にそのイラストが良いのだ。
建築家の余技どころではない。
同時代のアーサー・ラッカムを彷彿とさせる
繊細で陰影の強い画風で
宇宙を舞台にしたファンタジーを
実に幻想的に描いているのだ。
  
今はなき立風書房から出ていた
カラーのハードカバーが唯一の翻訳書だったが、
今は古書でしか手に入らない上に、
48枚すべてが掲載されていたわけではない。
加えて、グラフィックの上下が少しカットされていたりして、
ちょっと残念な感じなのだ。
  
そこで復刻版洋書を取り寄せて、
オリジナルの図版やレイアウトを確認しつつ、
決定版を言えるようなものを出したい。

すでに翻訳書3,800円、洋書4,623円という出費だが、
初期投資ということでガマンだな。
  
完成して(デジタル書店の)店頭に並ぶようになれば、
ミュシャの挿絵が使われている
「白い像の伝説」並に貴重な翻訳書になると思う。
  
がんばるぞ〜!
  
今回掲載予定のもの(左)と立風書房のもの(右)