イギリス人建築家ウィリアム・ティムリンが
1923年に発表したファンタジー。
何と、オリジナルストーリーのみならず、
48ページのキャリグラフィ(手書き装飾文字)と
48枚のカラーイラストを
すべて自力で創り上げ、一冊にまとめたのだ。
特にそのイラストが良いのだ。
建築家の余技どころではない。
同時代のアーサー・ラッカムを彷彿とさせる
繊細で陰影の強い画風で
宇宙を舞台にしたファンタジーを
実に幻想的に描いているのだ。
今はなき立風書房から出ていた
カラーのハードカバーが唯一の翻訳書だったが、
今は古書でしか手に入らない上に、
48枚すべてが掲載されていたわけではない。
加えて、グラフィックの上下が少しカットされていたりして、
ちょっと残念な感じなのだ。
そこで復刻版洋書を取り寄せて、
オリジナルの図版やレイアウトを確認しつつ、
決定版を言えるようなものを出したい。
すでに翻訳書3,800円、洋書4,623円という出費だが、
初期投資ということでガマンだな。
完成して(デジタル書店の)店頭に並ぶようになれば、
ミュシャの挿絵が使われている
「白い像の伝説」並に貴重な翻訳書になると思う。
がんばるぞ〜!