2019年1月20日日曜日

「不染鉄之画集」不染鉄


たまたまテレビで目をして、

その強烈な富士の絵(本書の表紙)
「山海図絵(伊豆の記憶)」にたちまち魅了されて、
今まで聞いたこともなかった画家だったのに、
即、ネット注文して買ってしまったのが、
この「不染鉄之画集」である。
  
 2017年、没後40年を記念し、誕生の地である東京と、
 晩年を過ごした奈良の2カ所で開催された展覧会で、
 突如姿を現した無名の画家・不染鉄(ふせんてつ)。

と本の解説にあるので、

実際に、最近〝発見〟された画家なのだろう。

緻密な日本画なのだが、

幻想的で、どこか温かみがあって、
いつまでも見ていたくなるような絵。

特に農村にしろ漁村にしろ、

そこに描かれている昔の日本家屋が良いのだ。
実際にはどこも貧しい家々なのだろうが
いたずらに貧しさばかりを強調するのではなく、
穏やかな暮らしぶりがにじみ出てくる
美しい家々、そして集落なのである。
  
新年早々、強烈な未知の世界に出会えて幸せである。
  
「有名になれず こんな画をかくようになっちやった
 だけどいゝよねえ」
『春風秋雨より



「静雨(寂光院)」