2010年5月10日月曜日

「慢性疲労は首で治せる!」松井孝嘉

    
本屋でただぶらぶらと、面白そうな本はないかと物色して回っていたら見つけたのが、本書「慢性疲労は首で治せる! (角川oneテーマ21)」だ。

不思議なことだが、誰かが手に取って、そのまま平積みの上に置いて去ったように、他の平積み本の上にポンと置いてあった。だから目についたので、腰巻きにあるようにいろいろなメディアで話題になっている本ということは全く知らなかった。何だかちょっと運命的な感じのする“出会い”であった。

ネットで見ると、その治療法についても治療院についても、かなり批判的な意見がないではない。もちろん好意的な意見も多い。要するに自分で判断しろということだし、実際の問題症状によって本書が役に立つかどうかは、大きく変わってくるのかもしれない。

そういう意見もあるものだと理解した上で、本書はここのところずっと首、そして首から上の不調に苦しんできたわたしに、まさにピンポイントで不調の原因と予防・対策をしてしてくれた画期的な本かもしれない。そんな気がしているのである。

著者は「首の筋肉の異常が自律神経失調を起こす」という発見から、その異常が神経に悪影響もたらすことで起こる一連の症状を<頸性神経筋症候群>と名付ける。一連の症状とは、「慢性疲労症候群」、「ムチウチ症」、「頭痛」、「めまい」、「自律神経失調症」に加え、「更年期障害」、「うつ」、「パニック障害」も含まれるという。

と言うと誤解を招き易いが、要するに不定愁訴(検査をしてもはっきりとした原因が判明されない症状)の結果、そうした病名を与えられ服薬などの治療を受けながら、なかなか改善が見られたない人は、実は首に問題があったのかもしれないよ、という内容である。「うつ病」や「頭痛」などが、すべて首次第で治ると言っている訳ではない。ここは大事なところ。

さてそこで病名上は「適応障害」から「うつ病」になってはいるものの、抑うつ気分は最初からそれほど強くなかったわたしは、「うつ病」ではないだろうとずっと思っていた。実際カイロプラクティックの先生からも「たらい回しにされた上に、“メニエール病”だとか“うつ病”だとかにされないように気をつけないと」と言われていたし。

そして思えば病休以前から、問題は首にあったように思うのだ。「頭痛」も「吐き気」も、「二日酔いシンドローム」も。それが一気に悪化し表面化したのが病休後である。そして今はむしろそれこそが体調不良のメインであり、気分的には全くと言っていいほど問題ない。だってこれだけブログ書きまくっているんだし、それ以外にもいろいろ始めているし。食欲もあり、お笑い番組では笑いころげ、人中に出ることも人と話をすることもOKだし。

本書は理論と解説部分がほとんどである。そして自分で実践できる「予防&治療術」は簡単過ぎるくらい簡単な首休めである。でもこの“簡単過ぎる”から逆にやる意味や効果はないだろうと思われがちなことが、それまでの解説部分を読むことで、「それほど重要ならやってみようかな」と思わせる流れになっている。

ちなみにノートパソコン・スタンドでうつむいた作業姿勢を改善しようと思ったのも、本書を読んだ結果だ。考えてみればパソコン、携帯、iPod(ビデオ鑑賞)など、すべてこのうつむいた姿勢、同じような首の角度をしていると気づいたからである。

取りあえず昨晩は首の「予防&治療術」(簡単なストレッチだ)をして寝た。気分の問題かもしれないが、眠りは良かった。しばらくこの“首の角度に気をつけ、同じ角度で長時間作業をしない”ことに注意してみようと思う。

外に出るとやっぱり面白い“出会い”があるものである。