2010年5月7日金曜日

「赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道」

   
ジブリの最新作「借りぐらしのアリエッティ」が7月17日から上映される。監督は宮崎駿でも高畑勳でもなく、宮崎吾郎でもない。米林昌広という「ジブリで一番のアニメーター」(プロでフーサー 鈴木敏夫 「借りぐらしのアリエッティ」公式ホームページより)による初監督作品なのである。

これは面白そうだなぁと思いながらジブリのホームページを見ていたら、何と「赤毛のアン グリーンゲイブルズへの道」というアニメ作品も、同じ7月17日から渋谷のシネマ・アンジェリカという映画館での単館上映がスタートするという。

内容は先に触れた全編を90分にまとめた完結版ではなく、1979年のテレビシリーズ全50話から、第1話〜第6話を、演出の高畑勲自らが監修して再編集した劇場版だという。

1989年に再編集されていながら、当時正式な公開には至らなかったという作品で、高畑勲(監督)、宮崎駿(画面構成)、近藤喜文(作が監督)という、まさにスタジオ・ジブリ作品と言えるようなスタッフによって作られたものだ。

特に画面構成の宮崎駿は、「ルパン三世 カリオストロの城」制作のため、第1話〜第15話までしか参加しておらず、シリーズ初期のみの編集版はそういう意味でも一番魅力的なところかもしれない。後半の作画の乱れも関係ないし。

 内容的にも当時のテレビアニメの定石には乗っ取っておらず、1話ごとに山場を作ることはしていないとのこと。つまり30分ごとにクライマックスがある流れではなく、むしろ今回の6話を通して見ることで、完成された作品として見ることができるという。だからほとんどカットもしていないらしい。

そう言われれば、当時実に淡々と毎回の話が進んで行ったように思うし、その従来のアニメらしからぬゆったりした時間の流れが、新鮮だった覚えがある。それも原作に忠実に作った結果だろうし、逆に言えば6話分で原作の一つの山場を描いているということになるんだろう。

アンのことを思い出したと思ったら、実は思わぬところでアンが話題になっていたなんて。 

これもちょっとしたシンクロニシティかしらね。